正絹

帯のお話

鬼滅の刃、遊郭編がもう最終回を迎えるだなんて!?ひどいです、神さま。上弦の鬼を倒したら、わたくしを4番目の妻にしてくださいませ、天元さま、、、これからはまたしても日曜日の夜が超絶憂鬱な時間帯になってしまいます。月曜なんか来なければいいのに、、、とか
言ってるうちに遊郭編は終わってしまうので、その前に帯のお話をしておきましょう。

1.帯の歴史
2.帯の構造
3.帯の種類
 3-1.丸帯
 3-2.袋帯
 3-3.名古屋帯
 3-4.半幅帯
 3-5.京袋帯・小袋帯
4.鬼滅の帯

1.帯の歴史

日本の帯の歴史は衣類の歴史そのものでした。縄文の時代から人々は貫頭衣を着て、ウェストを紐で縛っています。紐は縛る用途を高め、幅広く織られて帯となります。元は紐であった帯は時代を経るごとに、幅広く豪華になっていきました。縛る紐から締める帯に進化するわけですね。江戸時代の初期まで帯は10㎝程度の幅しかありませんでした。中世に小袖を着た女性が締めていた帯ですね。戦国の世が終わり、平和な時代が続くと、帯は締める役目よりも、飾る役目が大きくなります。体の中心を固定する帯は、装飾性が高まって華美を極め、豪華さは着物を上回るようになりました。多色の糸を使って、豪華な装飾文様を織り出したものを錦と呼び、京都の西陣が代表的な産地として知られています。

2.帯の構造

帯は肩にかけて、お腹に巻いていきますが、肩にかける部分を「手先」、背中で結ぶ部分を「たれ」と呼びます。たれの先端は「たれ先」といって、お太鼓を作ったとき、下でお尻を覆う部分になります。たれ先は端に「界切線(かいきりせん)」があり、織りを留めたラインです。袋帯は界切線から柄が始まり、10㎝ほど上がった位置に「オランダ線」という線があり、お太鼓のサイズを決める目安になります。界切線を見せるように仕立てた帯は関西仕立て、折り込んで隠した仕立ては関東仕立てと呼ばれます。現代は関東仕立てが主流で、後ろ姿に界切線が見えないものがほとんどです。

3.帯の種類

帯は身にまとう着物によって、それぞれ違う種類の物を選びます。重要な要素は「格合わせ」、着物と帯の格を合わせることです。礼装の訪問着には錦の袋帯、普段着の小紋には袋帯よりも格下の名古屋帯、といった感じで合わせます。加えて帯は着物よりも若干格上の物を締めるというルールがあります。帯の格を分かりやすく、配列すると以下のようになります。格合わせの参考にしてください。

丸帯>袋帯>名古屋帯>半幅帯

京帯・小袋帯は半幅帯と同格のようです。帯の柄によっても、格の高いもの、格の低いものがあるので、着物との相性を考えて、ふさわしい帯を選びましょう。

3-1.丸帯

丸帯は江戸時代中期に考案された帯で、現在の袋帯の2倍の幅、長さは4.3m以上あります。70cmもの幅があるので、二つ折りにして体に巻き付けます。つまり裏も表も柄として使えます。全通柄(全てに柄がある)の丸帯となれば、最も豪華な高級品ですね。鬼滅の刃遊郭編では、ときと屋の鯉夏や京極屋の蕨姫(堕姫じゃん)などの花魁さんは丸帯を締めているはずです。戦後は重量があり取扱いが難しいことから、一般的ではなくなりました。花嫁衣裳や舞妓さんの衣装では、現在でも丸帯が使われます。

3-2.袋帯

丸帯の次に格の高い帯です。現代の礼装、留袖、訪問着、付下げ、色無地には袋帯が用いられます。一般的に「帯」というと、袋帯を指す、といってもいいでしょう。袋帯で二重太鼓を結び、黒留袖を着た姿が日本女性の第1礼装です。長さは4.1mから4.5mで仕立てにより変わります。ふくよかな人には長尺仕立てがおすすめですね。振袖にも袋帯が使われ、次々に華麗な飾り結びが考案されています。

3-3.名古屋帯

普段着、小紋や紬に合わせて締める帯です。お洒落感のある柄が多く、好みのものを自由に選べます。手先が半分の幅に仕立てられ、一重太鼓を結んで普段着とします。手先の端だけ半幅に縫ったもの、半幅に縫い合わせずに半分に折って巻くもの(おそめ仕立て)などもあります。名古屋帯の一重太鼓は大正時代に名古屋の女性教員によって発明され、あっという間に普及しました。名古屋帯は袋帯よりも軽く、取扱いが簡単です。一重太鼓が普段着の結び方として、全国的に広まった要因はこの名古屋帯の登場にもあるのでしょう。着物姿というと、小紋に名古屋帯の一重太鼓が一般的なイメージですね。

3-4.半幅帯

幅18cmで簡単に結べる帯です。主に浴衣に使われますが、小紋や紬に合わせることもできます。一般的に子供が締める帯は半幅帯か、へこ帯です。歴史的には庶民の子供は半幅帯で、蝶々結びが多かったようです。だからね、大正時代の炭焼き小屋の女の子、ねづ子ちゃんがお太鼓結びをして、帯締め帯揚げをしたスタイルは時代考証的にはNGなんですけど、、、

3-5.京袋帯・小袋帯

長さは名古屋帯と同じですが、手先は半分に仕立てられておらず、たれと同じ、そのままの幅です。一重太鼓と、蝶結びができるので、名古屋帯と半幅帯の代用ができます。観光地のレンタル着物では小袋帯でかわいらしく飾り結びをする様子が見られます。ネット通販で「お得な着物フルセット」といったセット商品には京袋帯・小袋帯が入っている場合があります。着付け練習に向いていますね。

4.鬼滅の帯

着物1枚に帯3本、とよく言われますが、帯さえしっかりした良い物を締めていれば、ほとんどのコーディネートが思いのままになります。帯は格を表現する重要なアイテムです。この格合わせが着物の難しいポイントなので、初心者は帯と着物のコーディネートを一度詳しい人に相談してみるとよいでしょう。
豪華な帯をきっちりと結んだ姿は、自分には女性の戦闘服に見えます。着付けを教わった先生などは帯の中に重要書類を収納し、必要なときにさっと取り出して、かっこよかったんですよ。
礼装帯は格調高く、洒落帯は帯飾りや根付けを着けて自分流を演出します。親や親族、知人から譲られた着物は、自分のお気に入りの帯を締めると、出動回数が増え、有効活用できますよ。
鬼滅の刃、遊郭編といえば帯!EDで空を飛んでる帯は、あの幅だと丸帯ではないよなー、、、堕姫は花魁だから、お仕事中は丸帯を締めているのでしょうが、戦闘で繰り出す帯幅は丸帯には見えないし。大体丸帯は重いから、EDであんな風に屋根まで飛んだりしないよな、、、あれは帯じゃなくて、反物という理解でいいんでしょうかね?まあ、綺麗だからいいか、、、

魅惑の夏着物、絽と紗

着物は大きく分類して、袷と単衣があります。前回は6月1日の衣替えで、袷から単衣に替えるというお話をしました。今回は7月8月のみ着用する単衣着物、絽と紗についてお話します。

1.夏着物の代表、絽と紗
2.絽って何?
3.紗って何?
4.え?羅もある?
5.絽着物、紗着物の魅力と注意点

1.夏着物の代表、絽と紗

裏地のついた袷着物、裏地の無い単衣着物は単純に言えば、夏物と冬物です。洋服のカテゴリー分けに照らすとそのようになります。単衣着物は夏物ですが、和服には半袖の概念がありません。従って暦の最も暑い時期には単衣の中でも特別に防暑に優れた着物を選ぶことになります。特別防暑に優れた着物として絽と紗(しゃ)が挙げられます。絽、紗とは織り方の名称で絽の着物、紗の訪問着といった使い方をします。年間を通して着物を日常的に着る人でなければ、絽と紗は中々に縁の無いものですが、それだけに貴重な、非日常を味わうことのできる着物です。絽着物と紗着物の特色は、独特の透け感があるというもの。織目に空間があるので、通気性が良く、見た目にも涼しく見えます。織り方はとても繊細で複雑、希少価値があり、一般庶民の着る衣服とは言えませんでした。小物に関しても夏場は絽や紗で織られた物が使用されます。絽の半襟や帯は真夏の必需品となっています。帯揚げ、帯締めも使用する糸の少ないもの、絽や紗で織り上げたものが使われます。こちらは透け感による見た目の涼しさに限定され、実際の涼感は余り無いように思います。和装は全体の調和が最も重要視されるので、絽の着物には絽の帯、絽の帯揚げ帯締めが必須となります。余り着る機会の無い夏着物を小物から一式揃えるのはなかなか大変ですよね。着にくい季節にそれでも敢えて着るわけですから、絽や紗に代表される夏着物は本当の着物好きのための着物だと言えます。

2.絽って何?

そもそも絽って何でしょう?着物に愛着のある人でなければ、一般的には知られてはいないようです。絽とは経糸2本を捩じり、横糸に織り込んでいく布地で、独特の透け感と清涼感を生み出します。捩る経糸の本数が3本であれば、三本絽、5本であれば五本絽と呼びます。七本絽、九本絽などもあります。駒撚り糸(撚り中~強)を使った駒絽、壁糸(撚り強)を使った壁絽などの種類があります。日本では絽は紗の変形として江戸時代から織られるようになりました。僧侶が夏場の法事のとき、着ている薄い袈裟も絽織りですね。いくら絽だ、と言っても長袖、重ね着ですから、暑くないわけじゃありません。

3.紗って何?

紗は絽よりも歴史が古く、平安時代から夏物として着用されていました。紗は「ゴーズ(Gauze)」に当たり、ガーゼの事ですね。薄く透けて見える布をGauzeと呼び、一説では中東パレスチナの地、ガザが語源であるとも言います。ガザがガーゼ(紗)の最初の生産地であるとされています。強い撚り糸を横糸として経糸2本に絡めて織り上げていきます。紗は絽よりも格が高く、夏場の訪問着や小紋に仕立てられます。紗の着物というと着物愛好家にしか認知されていませんが、「紗にかかったような」「紗をかける」という慣用句に残っています。薄い布を一枚かけたような、薄ぼんやりしたようなとの意味で使われていますね。

4.え?羅もある?

羅も夏用の薄物です。主に帯として使われます。羅は網目状の織物でやはりからみ糸で織られます。元々は網を羅と呼んでいました。飛鳥時代から生産されましたが、特殊な機を使うので、徐々に生産量が落ち、応仁の乱で継承が途絶えた、と謂います。その技法は絶えて失われていましたが、1956年、正倉院に残った裂(きれ)用いて復原に成功しました。染織工芸家の喜多川平朗(1898―1988)は「羅」を復原したことによりは、重要無形文化財保持者となっています。日常の衣類というよりも伝統工芸品、芸術品として継承されています。羅の歴史は織物の歴史そのものかもしれません。

5.絽着物、紗着物の魅力と注意点

絽、紗の着物は独特の透け感と、シャリ感が魅力です。シャリ感とは繊維業界のいうちょっとハリのある、ざらっと感じですね。清涼感にも通じる語で肌にまつわりつかないといった意味にもなるようです。透け感があると、構造だけでなく見た目にも涼し気に見えます。相対した方にも清涼感をお裾分けする衣服です。しかしこの透け感には注意が必要。何せ衣服ですから、透けるだけでは用途に叶いません。絽や紗の着物を着る際は、長襦袢の着方に十分注意を払いましょう。余分な皺やずれがあると、外側から見えてしまいます。体のラインもばっちり映ります。私は夏着物を着るときは通常の倍の時間を費やして、長襦袢を身に着けています。単衣着物であっても居敷当て(お尻の部分の重ね布)だけは付けてもらうようにしています。お尻の形に自信無いですから。

素材論争?!和服の素材3選

有史以来、人類は持てる叡智を尽くしあらゆる素材を探求、吟味して衣類を作り上げてきました。
物質中に繊維が残れば人々はいかにして、この糸を身に纏うか、それのみを考えてきたように思います。その最たる物が絹、シルクであり、和服の世界では正絹と呼ばれます。他にも自然素材として優れた木綿、ウール、化学繊維のポリエステル、などが主な着物の素材となります。日本は高温多湿な国ですから、個人の趣向の他に気候やTPOに合った素材を選ぶ必要が生じます。
もちろん財布事情も素材選びの重要な要素であることは疑いようがありません。

1. 最高の着物素材~正絹~
  1-1. 正絹とは何か
  1-2. 正絹のメリット、デメリット
  1-3. 着物は正絹でなければならないのか?

2. 新しい時代の新素材~ポリエステル~
  2-1.ポリエステルとは何か
  2-2.ポリエステルのメリット、デメリット

3. 伝統紡ぐ素材~木綿~
  3-1.木綿とは何か
  3-2.木綿のメリット、デメリット
  3-3.庶民の味方、偉大な伝統衣類、木綿着物

4.まとめ

1.最高の着物素材~正絹~

1-1. 正絹とは何か

反物の表示にある「正絹(しょうけん)」とは絹100%の織物を指します。絹は蚕が吐き出した繭を煮出して取り出した繊維です。現在地球上にある最高級の糸ですね。生産の歴史は古く紀元前3000年頃、中国の神話時代に遡ります。
糸そのものの光沢、触感、軽さ、風合いなど絹を超えるものは存在しません。
正に繊維の王!
そして蚕は生き物です。着物1反を織るのに必要な糸量は約1㎏、約432,000mの長さが必要です。1㎏の絹糸を取るために必要な蚕の繭は、約5㎏3000個が必要とされます。一着の着物を織るために3000匹の蚕が釜茹でにされるわけです。
ゆえに古来絹は特権階級のみが身につける衣類でした。古代アジア、歴代の王たちにとって絹は繁栄の証、富の象徴です。欲望はシルクロードを駆け巡り、争いは絶えませんでした。
日本では弥生時代に養蚕が伝わり、織物は税金の一部として徴収されます。
絹を超える衣類は存在しませんし、今後も生まれることはないでしょう。
至上の衣類、正絹の着物。人々が絹を求める心に限りはありません。

1-2. 正絹のメリット、デメリット

正絹のメリットは言うまでもないですが、目に鮮やかな光沢、至高の柔らかさと軽さ、自然素材の為、静電気が発生しにくい、ことなどが挙げられます。一目見ただけでそれと判る高級感に満ちていて、これこそが着物、と思わせる芸術の域に達しています。さらりとした着心地は天にも昇る思いがします。
また正絹はとても長持ちする素材です。軽くて丈夫、きちんと保管すれば変色も少なく、母子三代着られます。
冠婚葬祭、礼装、しかるべき場所への出席には正絹の着物で、という定石は揺るがないでしょう。
正絹のメリットは機能性だけでなく、周囲の目に十分耐える素材であるということ。きちんとした装いだと受け止めてもらえるのです。少し着物に詳しい人ならば、すぐに正絹を見分けますし、格を維持するには必要なものと、言えるでしょう。
正絹着物のメリットは、高級感がある、長持ちするの2点です。

正絹のデメリットは第一に高いこと、、、、何せ3000匹のお蚕さんの命ですからね。高いのは当然です。希少価値です。
元々が特権階級の衣類ですから、致し方ありません。
第二のデメリットは水に弱いこと。動物繊維ですから水分を含むと縮みます。染みもできます。簡単に洗えません、専門の洗い屋さんに出す必要があります。
正絹着物のデメリットは、高い、水に弱い、の2点です。

1-3. 着物は正絹でなければならないのか?

呉服屋さんの多くには正絹しか扱わないお店もあります。着物離れが増えた理由の一つに「正絹でなければ着物じゃない、絹以外は恥だ」と言った売り方をする店舗の存在がありました。正絹着物は流通過程が複雑で一着売れば余りにも利益は大きいです。また織、染、仕立てといった職人さんの特殊技能を十分評価する必要があります。着物販売の店員にはノルマが課され、少しでも高く売ることを目的にしていた時代もありました。正絹着物は晴れ着である為、日常を超越した金額に設定されているのも事実です。

私の結論としては、冠婚葬祭、礼装は正絹で。それ以外は別素材でも良い、と思っています。正絹のみを売りたがる販売店に対して、消費者は正絹以外の素材の良さも十分理解する必要があるでしょう。

2. 新しい時代の新素材~ポリエステル~

2-1.ポリエステルとは何か

正絹に対して人絹という言葉があります。今ではほとんど聞かれませんが人造繊維、レーヨンを指して人造絹糸、略して人絹と呼ばれました。近代の科学者たちが絹に似た繊維を作り出そうと懸命になっていたことが窺えます。
第一次世界大戦後、レーヨン糸の価格は大暴落します。変わって生産されたのが石油から作られる合成繊維、ポリエステルでした。日常の衣類としてポリエステルは実に優秀な素材で、やがて着物の世界にも取り入れられてゆきます。

2-2.ポリエステルのメリット、デメリット

ポリエステル製の着物は第一に安い!(いつも値段が一番に来てすいません)丈夫で耐久性、耐寒性があり、家で洗うことができます。基本的には着物は洗えないと思っている人が多く、物干し場に干してあると
「ええー?着物洗って大丈夫なの?ゆうさん??」
と驚かれることがあります。
「着物洗うなんて頭、正気か?」
みたいな扱いを受けたりもしました。私の脳内をご心配下さっている貴顕ににっこり笑って返します。
「これポリエステルだから洗えるんですー」
「ええええー?」
と、驚かれるほどポリエステルの着物は一般的に認知されていません。ですが、今では誰もが普通に目にする着物でもあるのです。
観光地のレンタル着物はほとんどポリエステルですし、ネット通販などで1万円以下の着物はほぼポリエステルです。
安い、洗える以外のメリットは雨の日でも気軽に着られること。濡れても縮みが少なく家で洗い、アイロンで伸ばすことも可能です。
私は着付けのお稽古、特に夏場にはポリエステル着物で行ったりします。
出かける予定の朝、急に雨が降っているのに気づき、慌ててポリエステルに着替えた時もありました。
ポリエステル着物のメリットは、安い、洗える、水に強い、の3点です
ポリエステル着物のデメリットは嫌な表現ですが、安っぽく見られることでしょうか。
格式の高い場所には着て行けません。
合成繊維特有の静電気が発生し、体にまとわりつきます。(脱ぐときはペリっていう)
大量生産のプリントで格調高い柄は少ないです。プリント柄でもお洒落着としてかわいらしい物はたくさんありますから、街歩きには最適と言えます。
着物らしい光沢はありません。高級ポリエステル(東レシルックなど)と呼ばれる物には正絹には劣りますが、光沢も風合いも申し分ないものがあります。
ポリエステル着物のデメリットは礼装には不向き、静電気が強い、の2点です

3. 伝統紡ぐ素材~木綿~

3-1.木綿とは何か

木綿とはワタ、綿花の実から取れる繊維でコットン(cotton)とも呼びます。正絹一辺倒の販売歴を経て、木綿の着物って何?そんなのあるの?との疑問さえ聞こえます。ですが木綿着物こそ日本の一般庶民が最も多く身に纏っていた衣類です。日本に綿花が入った当初は栽培が一般的ではなく高級品でしたが、戦国時代以降、各地で栽培、加工されるようになります。江戸時代には麻に変わって、主な着物素材として一般的になりました、
綿糸は通気性が良く吸水性も高いため、肌着などにも使われ、各地域で独自の特色を生かしたの綿織物が続々と開発されました。各大名が増収のため地産物として生産を奨励していた背景もあります。
松阪木綿、阿波しじら、会津木綿、久留米絣、薩摩絣、備後絣など伝統工芸品として現代に伝わっています。

3-2.木綿のメリット、デメリット

木綿着物のメリットは第一に気持ちいい!こと。柔らかいのにしっかりとした生地でとても着心地がいいのです。吸水性が良く夏場でもさらりとしています。綿繊維は撚りをかけてあるので、空気をたっぷり含み保温性も高いです。つまりは夏涼しくて、冬暖かい着物、高温多湿の日本には最適じゃないですか。庶民の衣類ですからもちろん家で洗えます。貴重な伝統衣類ですから専門家に任せた方が安心ではありますが。
そして更にもう一つのメリットとして、正絹よりもずっとお得です。
って、また値段の話かーい!←このサイトでは最重要特記事項なので、あしからず。
木綿着物のメリットは、安い、丈夫、気候に順応、の3点です
木綿着物のデメリット、残念なことに木綿着物は普段着、洋服のカテゴリーとしてはジーパン位の格付けになってしまいます。ですが、お洒落着、街歩きには持ってこいです。
また自然素材のため、縮みやすいという性質を持っています。
木綿着物のデメリットは、礼装に不向き、縮みやすい、の2点です。

3-3.庶民の味方、偉大な伝統衣類、木綿着物

私が最も心奪われる木綿着物は「阿波しじら」。独特のしぼがあり、さらりとして、とても気持ちの良い着物です。初めて手元に届いたときは余りにも気持ちよく頬ずりしてしまいした。一重仕立てで5月初から9月下旬まで長いスパンで着られます。夏場の着物はもう阿波しじらしか要らない!と思うほど惚れ込んでおります。浴衣としても着られますし。夏場の正絹着物「絽」や「紗」は製造工程がとても難しくて、高級、高価な着物です。正装する場でなければ着たいと思えません。夏場は汗をかくので家でひんぱんに洗える方が衣類として重宝します。
木綿着物は高温多湿の日本で庶民の普段着として長らく愛されてきました。江戸時代に正絹着物を着ていた人なんて、全人口10%くらいに過ぎません。高級で高価でありさえすれば衣服として優れているとは決して言えないと思います。

4.まとめ

正絹だけが着物じゃない!木綿だってポリエステルだって良い所はたくさんあります。
冠婚葬祭には正絹着物、遊び着にはポリエステル、日本人らしい着物なら木綿着物、と素材分け、使い分けを楽しみましょう。
なかでも木綿着物は日本の日常生活にベストマッチした着物です。
そんなわけで「これから着物を着てみたい!」と思う方々へ向けて、着付け教室アシスタントゆうは木綿着物を全力でおすすめするわけです。

余談な木綿話
NHKの大河ドラマ、「八重の桜」を視聴していましたが、登場する女優さんたちは会津木綿の着物を着ていました。きちんとした演出だなあ、と感動したことがあります。
新島(山本)八重の生涯と会津戦争を描いた歴史小説はこちらがおすすめ。
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