卒業式

帯のお話

鬼滅の刃、遊郭編がもう最終回を迎えるだなんて!?ひどいです、神さま。上弦の鬼を倒したら、わたくしを4番目の妻にしてくださいませ、天元さま、、、これからはまたしても日曜日の夜が超絶憂鬱な時間帯になってしまいます。月曜なんか来なければいいのに、、、とか
言ってるうちに遊郭編は終わってしまうので、その前に帯のお話をしておきましょう。

1.帯の歴史
2.帯の構造
3.帯の種類
 3-1.丸帯
 3-2.袋帯
 3-3.名古屋帯
 3-4.半幅帯
 3-5.京袋帯・小袋帯
4.鬼滅の帯

1.帯の歴史

日本の帯の歴史は衣類の歴史そのものでした。縄文の時代から人々は貫頭衣を着て、ウェストを紐で縛っています。紐は縛る用途を高め、幅広く織られて帯となります。元は紐であった帯は時代を経るごとに、幅広く豪華になっていきました。縛る紐から締める帯に進化するわけですね。江戸時代の初期まで帯は10㎝程度の幅しかありませんでした。中世に小袖を着た女性が締めていた帯ですね。戦国の世が終わり、平和な時代が続くと、帯は締める役目よりも、飾る役目が大きくなります。体の中心を固定する帯は、装飾性が高まって華美を極め、豪華さは着物を上回るようになりました。多色の糸を使って、豪華な装飾文様を織り出したものを錦と呼び、京都の西陣が代表的な産地として知られています。

2.帯の構造

帯は肩にかけて、お腹に巻いていきますが、肩にかける部分を「手先」、背中で結ぶ部分を「たれ」と呼びます。たれの先端は「たれ先」といって、お太鼓を作ったとき、下でお尻を覆う部分になります。たれ先は端に「界切線(かいきりせん)」があり、織りを留めたラインです。袋帯は界切線から柄が始まり、10㎝ほど上がった位置に「オランダ線」という線があり、お太鼓のサイズを決める目安になります。界切線を見せるように仕立てた帯は関西仕立て、折り込んで隠した仕立ては関東仕立てと呼ばれます。現代は関東仕立てが主流で、後ろ姿に界切線が見えないものがほとんどです。

3.帯の種類

帯は身にまとう着物によって、それぞれ違う種類の物を選びます。重要な要素は「格合わせ」、着物と帯の格を合わせることです。礼装の訪問着には錦の袋帯、普段着の小紋には袋帯よりも格下の名古屋帯、といった感じで合わせます。加えて帯は着物よりも若干格上の物を締めるというルールがあります。帯の格を分かりやすく、配列すると以下のようになります。格合わせの参考にしてください。

丸帯>袋帯>名古屋帯>半幅帯

京帯・小袋帯は半幅帯と同格のようです。帯の柄によっても、格の高いもの、格の低いものがあるので、着物との相性を考えて、ふさわしい帯を選びましょう。

3-1.丸帯

丸帯は江戸時代中期に考案された帯で、現在の袋帯の2倍の幅、長さは4.3m以上あります。70cmもの幅があるので、二つ折りにして体に巻き付けます。つまり裏も表も柄として使えます。全通柄(全てに柄がある)の丸帯となれば、最も豪華な高級品ですね。鬼滅の刃遊郭編では、ときと屋の鯉夏や京極屋の蕨姫(堕姫じゃん)などの花魁さんは丸帯を締めているはずです。戦後は重量があり取扱いが難しいことから、一般的ではなくなりました。花嫁衣裳や舞妓さんの衣装では、現在でも丸帯が使われます。

3-2.袋帯

丸帯の次に格の高い帯です。現代の礼装、留袖、訪問着、付下げ、色無地には袋帯が用いられます。一般的に「帯」というと、袋帯を指す、といってもいいでしょう。袋帯で二重太鼓を結び、黒留袖を着た姿が日本女性の第1礼装です。長さは4.1mから4.5mで仕立てにより変わります。ふくよかな人には長尺仕立てがおすすめですね。振袖にも袋帯が使われ、次々に華麗な飾り結びが考案されています。

3-3.名古屋帯

普段着、小紋や紬に合わせて締める帯です。お洒落感のある柄が多く、好みのものを自由に選べます。手先が半分の幅に仕立てられ、一重太鼓を結んで普段着とします。手先の端だけ半幅に縫ったもの、半幅に縫い合わせずに半分に折って巻くもの(おそめ仕立て)などもあります。名古屋帯の一重太鼓は大正時代に名古屋の女性教員によって発明され、あっという間に普及しました。名古屋帯は袋帯よりも軽く、取扱いが簡単です。一重太鼓が普段着の結び方として、全国的に広まった要因はこの名古屋帯の登場にもあるのでしょう。着物姿というと、小紋に名古屋帯の一重太鼓が一般的なイメージですね。

3-4.半幅帯

幅18cmで簡単に結べる帯です。主に浴衣に使われますが、小紋や紬に合わせることもできます。一般的に子供が締める帯は半幅帯か、へこ帯です。歴史的には庶民の子供は半幅帯で、蝶々結びが多かったようです。だからね、大正時代の炭焼き小屋の女の子、ねづ子ちゃんがお太鼓結びをして、帯締め帯揚げをしたスタイルは時代考証的にはNGなんですけど、、、

3-5.京袋帯・小袋帯

長さは名古屋帯と同じですが、手先は半分に仕立てられておらず、たれと同じ、そのままの幅です。一重太鼓と、蝶結びができるので、名古屋帯と半幅帯の代用ができます。観光地のレンタル着物では小袋帯でかわいらしく飾り結びをする様子が見られます。ネット通販で「お得な着物フルセット」といったセット商品には京袋帯・小袋帯が入っている場合があります。着付け練習に向いていますね。

4.鬼滅の帯

着物1枚に帯3本、とよく言われますが、帯さえしっかりした良い物を締めていれば、ほとんどのコーディネートが思いのままになります。帯は格を表現する重要なアイテムです。この格合わせが着物の難しいポイントなので、初心者は帯と着物のコーディネートを一度詳しい人に相談してみるとよいでしょう。
豪華な帯をきっちりと結んだ姿は、自分には女性の戦闘服に見えます。着付けを教わった先生などは帯の中に重要書類を収納し、必要なときにさっと取り出して、かっこよかったんですよ。
礼装帯は格調高く、洒落帯は帯飾りや根付けを着けて自分流を演出します。親や親族、知人から譲られた着物は、自分のお気に入りの帯を締めると、出動回数が増え、有効活用できますよ。
鬼滅の刃、遊郭編といえば帯!EDで空を飛んでる帯は、あの幅だと丸帯ではないよなー、、、堕姫は花魁だから、お仕事中は丸帯を締めているのでしょうが、戦闘で繰り出す帯幅は丸帯には見えないし。大体丸帯は重いから、EDであんな風に屋根まで飛んだりしないよな、、、あれは帯じゃなくて、反物という理解でいいんでしょうかね?まあ、綺麗だからいいか、、、

衣替えの季節!9月は単衣の着物、10月は袷の着物です!

1.秋の衣替えは手入れの意味もある
2.秋の衣替えってどうするの?
3.9月は単衣着物、10月は袷着物

あっという間に秋の衣替えがやってきました。え?めんどくさ!と思うのもごもっとも。9月はまだ単衣の季節ですが、10月までに冬物を用意しておかねばなりません。今回は秋の衣替えのお話を少々致します。

1.秋の衣替えは手入れの意味もある

洋服の生活をしていると、「え?衣替えなんてしないけど」という人も多くなってきました。住宅事情の切迫した現代では、通年着るものを箪笥に入れたままにしておくのも、一つの収納術といえます。着物は畳めばぺたんこになり、箪笥に入れたままにしておくと湿気を吸収し、かびの原因になります。湿気を含んだ衣類は害虫の大好物で、気づいたときには大事な着物に、「虫食い」穴ができている、なんてことにもなりかねません。
秋の衣替えはこれらの虫害を防ぐ意味があります。着物を秋のさわやかな風に晒して、湿気を飛ばしにっくき虫を撃退しましょう。「入れ替えと同時に着物の手入れと点検をする」、それが秋の衣替えです。
筆者は古代史好きでこの時期奈良国立博物館で開催される正倉院展には足繁く通っておりました。正倉院展の開催は膨大な古書類、古衣裳を虫干しするため、秋風の吹く涼しい時期に正倉を開いていたのが、始まりでした。後に宝物を一般に公開することが許され、現在の宝物を展示する正倉院展になっています。
※余談ですが、博物館の学芸員さんの着物畳み術は目を見張るものがあります!
天下の正倉院も虫干しをしているわけですから、日本人ならば秋には衣替えをして、同時に着物の手入れをしておきましょう。

2.秋の衣替えってどうするの?

まずは夏物を片付けることから始めます。絽や紗の単衣着物を箪笥から出して、必要があればクリーニングに出しましょう。単衣着物には汗がつきやすいです。そのため筆者は夏場には家でも洗える着物、ポリエステルや木綿を愛用しています。(礼装は別)

① ホームセンターで防虫剤を買う

ホームセンターやドラッグストアで防虫剤を買っておきましょう。
先に買っておかないと、しんどい衣替え作業のあと、心が折れます。きれいに畳んでしまった後に、「あー!防虫剤入れるの忘れた!!」となると泣きたくなりますよ、ほんと、、、何度もやりましたので、あえてお伝えしておきます。防虫剤は始めに買っておきましょう。

② 夏物(絽・紗)を収納する

夏物を収納します。
空になった箪笥に虫がいないか、汚れはないか、点検しましょう。夏着物と夏帯は同じ収納ケースに入れてあると便利です。夏用の襦袢は秋口にも春先にも着る機会があるので、しまい込むと逆に困ります。半襟だけ付け替えて、かしこく気温の変化に対応しましょう。

③ 冬物(袷)を出す

オフシーズンにしまい込んであった、冬物を出します。10月からは袷着物、裏地のある着物となります。袷着物を出して、室内で半日程度虫干しします。その際、染みや汚れが無いか確認しましょう。礼服は特にしっかりチェックが必要です。3月の卒業式に着る礼服(色無地など)に汚れがあったら、この時点でクリーニングに出せば間に合います。折り皺ができていたら、しっかり干してから畳んで、箪笥にしまって下さい。

④ 冬物を箪笥に収納する

冬物をきれいにたたんで箪笥に納めます。自分で着物を着ない人も、畳み方だけは習得しておくことをおすすめします。たとう紙に防虫剤を挟むのを忘れないようにしてください。


3.9月は単衣着物、10月からは裏地のある袷着物

学校の制服同様、9月は着物の移行期です。透け感の無い単衣着物に帯を身に着けます。透け感の無い単衣着物は6月と9月にしか着られません。9月の単衣着物は暖色系の色目なので、実際の秋物を着る機会は1ヵ月しかないのです。「だったら秋物なんていらない!」と思うのも当然です。9月一月の間に着物をどれほど着る機会があるか、と考えると無理に秋物、透け感の無い暖色系の単衣着物を用意する必要なんか無いですよ!呉服屋さんにすすめられても買わなくていいです。10月になれば本格的な着物の季節、袷着物の季節がやってくるのですから。先日9月の着物教室がありましたが、単衣着物を持っていない生徒さんたちでした。9月半ばの袷着物はやはり暑かったようで、汗をかいて難儀しておられました。私は単衣着物でしたが、それでも暑かったです。そうなると、9月の移行期に着物を着るには、どうしたらいいの?
空調を制御すればいいんです。それだけ、、、

秋は着物に最適な季節です。そのために秋の衣替えは、整理・虫干し・点検をしっかりやっておきましょう。卒業式に着る着物は秋口に点検、必要があればクリーニングに出しておきます。余り枚数を持っていない方が、衣替えは楽に済ませられますよね。

 

TPOを楽しもう!留袖から小紋まで目的別着物6種

「着物は決め事が多くて面倒くさい」との意見を耳にします。

確かにそうかもしれません。着物は○○でなければならない、とのルールが多いのです。ですがその多くは冠婚葬祭、礼装に関することで、普段着、カジュアルな着物にはそれほど面倒なルールはありません。最近ではカジュアル着物を自分なりにアレンジして自由にお洒落を楽しんでいる着物女子をよく見かけます。

ですが、日本の着物が今日まで生きているのは、厳格と言ってもよいほどの、ルールによる所が大きいと私は考えます。

着物における厳格な取り決め、守るべきルールが無ければ着物は既に日本の国土から消えているでしょう。その最たるものが留袖です。留袖が日本女性の第1礼装である、という取り決めがなければ現在結婚式で着る人はいない筈ですから。

逆の発想をしてみます。「来春、甥っ子の結婚式何着よう?招待客じゃなくて親族だし?洋服?靴、ヒールの高さは?バッグはエナメル?一体何をどう着ようかと考えていると衣裳ドツボにはまりますよ。

冠婚葬祭について、きちんとルールが決められている方が楽じゃないですか?

着物を目的別に分類し、TPOに即したルールを復習してみます。

1.フォーマルな着物

1-1 留袖 ミセスの第1礼装
1-2 色無地 これさえあれば憂い無し
1-3 訪問着と付下げ、格付け+お洒落感を満喫

2.カジュアルな着物

2-1小紋 着物の神髄を味わう
2-2紬  伝統技術を身に纏う
2-3 浴衣 みんな大好き!夏の着物

1.フォーマルな着物

1-1.留袖 ミセスの第1礼装

フォーマル着物の筆頭は既婚女性の第1礼装、留袖です。
留袖とは洋服で言う所のイブニングドレスに相当し、最も格の高い衣裳です。現在の留袖とは着物の裾部分に絵羽模様(上下続き柄)が入り、五つ紋(胸紋、袖紋、背紋)が入っているものを指します。黒地に絵羽模様の着物を黒留袖、色地に絵羽模様の着物を色留袖と呼びます。明治17年に「礼服は縮緬か羽二重、黒または色物、五つ紋付き、裾模様に白羽二重の重ね」との法令が出されました。以来、神式、キリスト教式を問わず、結婚式では新郎新婦の母、親族の既婚女性は黒留袖を着用するものとなっています。
近世より女性は既婚または一定の年齢を過ぎると振袖の丈を短く留める、という習慣がありました。古神道では袖には呪力があり、思いや念が籠もるものとされています。万葉集などの古典には袖にまつわる表現が多く出てきますが、
「袖振る」(大好きー、な感じ)
「袖を濡らす」(グスン、悲しいよー、な感じ)
「袖を絞る」(もう大号泣―!な感じ)
いずれも恋愛や涙に纏わる言葉ですね。袖を留める、とは少女時代の自分と決別する、過去の未練をここで押し留めるという意味があるようです。(“断つ”という言葉は縁起が良くないので“留める”)
結婚式には黒留袖、というのは厳格な着物のルールですが、袖を留めて次のステージにかけあがる日本女性の姿は、潔くかっこいい生き様じゃないですか。

1-2 色無地 これさえあれば憂い無し

生涯で最も着る機会が多い礼装が色無地です。色無地とは地紋のある白生地を一色で染めたものを指します。家紋入りであればお宮参り、入学式、卒業式、お茶会にも着用できます。日本人の色彩感覚は恐るべきもので、伝統色の色数は無限です。
私は浅茅色の色無地に金糸の袋帯で同僚の結婚式に出席し、同じ着物に黒帯を合わせて法事にも着用しました。
絵柄の無い単色の着物は華美に走らず、格を保ち、落ち着いた印象を与えます。
インターネットで紺絽の色無地を購入し、背に一つ紋を入れて夏の礼服にしました。夏用ですからポリエステル、洗える着物でございますよ。夏場は洗える着物推奨な私。母の法事にポリエステルの色無地を着て参列した所、お寺の奥様が「あら、いい着物じゃない、え?化繊(ポリエステル)なの?」と言われたのでOKなのだと思います。ポリだけど紋付、高い素材にすればいいってものでもありません。(正絹の方が涼しいけどね)
紋が一つ入っているだけで、色無地の着用範囲はかなり広がります。
ありがたや、色無地!強い味方、色無地!
色無地は紋付でなければ礼装にはなりません。これも着物のルールです。

1-3.訪問着と付下げ 格付け+お洒落感を満喫


訪問着とは華やかな全体柄で留袖の次に位置する着物です。呉服店で着物を誂えると一番に訪問着を薦められることと思います。だって高級だから。親族以外の結婚式、入学式、パーティーなどに適しています。訪問着に紋を入れると格が上がり、着用範囲が限定されるので、紋を入れない場合が多いようです。紋に拘らないのであれば訪問着一着あれば冠婚葬祭からちょっとしたお呼ばれまで、難なくこなすことができますよ。飾り気の無い色無地よりも訪問着の方が人気は高いですしね。しかし私、訪問着は余り好まないのです。理由は豪華に見え過ぎるから。冠婚葬祭は着物の品評会じゃないのだから、豪奢であれば良いとは限りません。その場と自分の立ち位置に合った着物を選ぶべきと考えます。個人的に訪問着の派手さに自分の顔が追いつかないだけかもww
私が好んで着るものは訪問着よりも付下げだったりします。付下げは反物の状態で柄付けするので、左胸と裾部分にしか柄がありません。ワンポイントみたいなイメージですね。訪問着より少し格は下がりますが、派手過ぎない柄付きはさりげない美しさがあります。私が大学の卒業式に袴と一緒に着ていたのも付下げでした。(当時は着物のことを何も知らなかったので、母に無理やり着せられた)柄が少ないので基本的に付下げは訪問着の半分のお値段です。(例外あり)だからこそ売る側は付下げよりも訪問着を全力でおすすめするわけです。お店では「いやあ、最近、付下げはほとんど無いですよ。訪問着なら良い物がたくさんあります。こちらなどいかがでしょう?」と言われました。だって仕方ないじゃん、私は付下げが好きなんだもん。訪問着と付下げ、格はほとんど変わりませんから、あとは好き好きですよね。ならばこそ、私は訪問着よりもお得な着物、付下げ推しです。

私が子供の入学式で着ていた付下げ、実はB反品でした。

2.カジュアルな着物

 2-1.小紋 着物の神髄を味わう

小紋とは全体的に柄付きがある着物、繰り返し同じ模様を染めた着物を指します。お洒落着の筆頭と言えば小紋で決まりです。観劇や街歩きなど、要するに普段着として楽しく着られる着物です。観光地でレンタル着物として提供されているのは小紋ですね。本当の着物好きとは小紋好きな人でしょう。小紋こそ個人の趣味が大きく反映される着物だと思います。初めて着物を着る人はやはり小紋に袖を通すことになります。ネット販売でとてもお得な着物セットというと、小紋と名古屋帯、帯締め、帯揚げなどがひとまとめになっています。ポリエステルが多いと思いますが、こうした小紋セットは着付けの練習用に最適です。あまり深く考えず、自分のセンスで着たい!と思うものを選びましょう。

2-2.紬 伝統技術を身に纏う

も楽しいカジュアル着物です。紬糸を織り上げしっかりとした布地になるので、着付けると線がバチっと決まります。紬とは先に染色した糸を織り上げる着物なので、(他の着物は白反物に染色し柄を描く)織り上げていく行程で幾何学的な模様が浮かび上がります。想像できます?柄を出す為に全ての糸を計算して染めていくんですよ。Amazing!職人芸と一言では表現しきれない神業が連綿と伝えられているのです。日本各地に伝わる独特な紬は伝統技術の極みに達しているでしょう。こうした織物は女性が考案した物が多いそうです。紬は普段着ですから、「少しでも綺麗なものを着て、日常を過ごしたい!」という女性たちの切望が生み出した衣類なのでしょう。普段着として編み出された紬は今では芸術作品として昇華しています。大島紬、結城紬、小千谷紬など優れた紬は古から続く地元女性の心を映すもの、彼女ら何をを思い杼をさしていったのか、優れた紬を見ると産地を訪れてみたくなります。

2-3.浴衣 みんな大好き!夏の着物

現代人がもっとも親しみのあるカジュアル着物、それが浴衣でしょう。老若男女、みんな浴衣が大好きです。浴衣は洋服で例えるとGパンくらいの格付け、と言われますが、現在はお洒落着という位置付けでよいと思います。Gパンより全然かわいいじゃん、てことで。江戸城大奥で将軍さまがお風呂から上がると、手ぬぐいといった物は使いません。一枚一枚浴衣を着せ、水分を取り除くんですって。なんて無駄、いや贅沢な。女官たちはその浴衣を頂き、大事に国元へ持ち帰るのだそうです。お風呂で着る着物だから浴衣となります。元々は下着感覚だったのでしょう。高温多湿の日本で浴衣は実にありがたい衣服です。夏祭りや花火だけでなく、昼間のお出かけにも浴衣を着て行きましょうよ。
浴衣は誰でもすぐに着られるようになる着物です。以前高校生に自宅で浴衣を着せていた時、「見てればすぐに覚えられるよー」と言いました。そしたらば、女子高生4人揃ってガン見!!です。熱い視線を感じながら一人ひとり着せていくと「ゆうさん、次わたしにやらせてください」とか「一人で着てみたいです」と嬉しい言葉が聞こえてきました。次の夏まつりには自分で浴衣を着る姿が見られるかもしれません。浴衣が着物を未来へ継承するきっかけになれば、と思います。

卒業式は着物で出席しよう!

我が子の旅立ちにふさわしい装いとは

1.卒業式には着物がお勧め

佐渡島の着付け教室「きらら教室」アシスタントのゆうです。
この時期になるとしきりと聞こえてくるのが
「卒業式、何着る?」
とのママ友グループの声。
卒業式における保護者の装いと言えば、黒の礼服か着物の礼装ですよね。
着付け教室でアシスタントをしている自分としては当然、着物をお勧めするわけです。
なぜ私が卒業式に着物をお勧めするかというと、以下の3点が挙げられます。

  1. 着物は長く着られるから
  2. 着物は暖かい衣類だから
  3. 着物で出席すると思い出深い式になるから

1-1.「着物は長く着られる」


私の場合、ワンピースだと6年後、3年後、そのまた3年後になると、
ウェストがやばい。
ファスナー上がるか自信無い。
腹回りが、、、(自主規制)
久しぶりに身に着ける礼装でも、着物ならば多少のサイズ変化に柔軟に対応できます。
サイズの増減は着付けでカバーできるので、式の前に慌てて買い直さなくても大丈夫。着物は長く着られます。

1-2.「着物は暖かい」


私の住んでいる地域は雪国です。卒業式は極寒の体育館、まるで我慢大会です。洋服の人はパンツスーツで参加するのは余り好ましくありませんから、ワンピースに分厚いタイツを履きます。これが私らの地域では相当寒いんです!着物を着ていると足元が暖かいので洋服の人に羨ましがられます。下半身は腰巻き、長襦袢、長着(着物)の重ね着ですからね。タイツ一枚よりかなり暖かいです。着物は床すれすれまで身丈を取るので、長時間の(寒い)式典には実にありがたい衣類です。お腹は二重に帯を巻いているので冷え知らず。冷えは女の大敵ですしね。着物は暖かいです。卒業式にはぜひ着物で出席しましょう。寒い地域の方には特にお勧めします。

1-3.「自分にも思い出深い式になる」


卒業式の主役は子供たちです。こんなに立派に育って、お母さんは嬉しいよ、、、的な達成感を噛み締めるのが卒業式ですよね。
我が子にとって特別な日であるからこそ、母の装いも非日常でありたいものです。
残念なことに黒の洋服で出席するとどれも同じに見えてしまいます。着物であればそれだけで「特別な日」らしさが際立ちます。卒業式に着物で出席すると自分のワクワク感が増す、というお母さんの意見を聞きました。着物はお母さんの胸に輝く勲章です。子供と一緒に成長した自分にご褒美をあげましょう。着物は冠婚葬祭において最も力を発揮する衣類です。卒業式の演出を盛り上げる意味でも、着物は最適な衣装だと言えます。卒業式に着物で出席すると自分にとって思い出深い式になります。

2.卒業式に着る着物


では卒業式にふさわしい着物とは何でしょうか?
私は卒業式に着る着物は、色無地一択と考えます。帯は袋帯の二重太鼓、帯締は平組、帯揚げは淡色ですね。それぞれ解説していきます。

2-1.卒業式に着る着物、色無地


訪問着や付下げがダメとは言いませんが、どうしても華美になってしまいます。卒業式は厳粛な式典ですから、格式があり落ち着いた服装が望まれます。色無地は黒以外の一色で染められた着物で、紋が入ることでセミフォーマル扱いになります。(一つ紋、三つ紋はセミフォーマル、五つ紋はフォーマル)
卒業式は一つ紋の色無地で出席しましょう。訪問着や五つ紋では行き過ぎ感が否めません。着物の地紋は吉祥柄や有職文様、色々ありますが、何でもいいと思います。色無地の地紋は大概慶事柄なので。色は季節的に濃い色、濃紺や濃緑などです。一つ紋の色無地は重宝する着物ですから、近親者の和箪笥に必ず一枚は入っているはずです。女性は実家の紋を継承するので、実母さん所有の着物がベスト。婚家の紋であればそれも良しです。
さあ、勇気を出して言ってみようー!
「お母さん、お義母さん、お祖母ちゃん、色無地の着物貸して!(もしくはちょうだい)」
家紋入りの着物を身に着けて卒業式に臨むと、「先祖代々、一族みんなで君を見守っているよ、卒業おめでとう」そんな思いで胸がいっぱいになります。
ハンカチ、多めに持たなきゃ、、、

2-2.卒業式に着る着物、帯は袋帯で二重太鼓


袋帯は吉祥柄であれば金銀糸入りでも無しでも構いません。とはいえ最近では金銀糸無しの袋帯を探す方が難しいですね。要は家にある袋帯で良しってことで。お太鼓柄(腹と背に柄がある物)は洒落感が強く、礼装では使えません。卒業式は慶事なので、幸福が重ね重ね訪れますように、との願いを込めて袋帯で二重太鼓を締めます

2-3.卒業式に着る着物、帯締めは平組


平組の帯締めって何?と思った人、身近にあるちょっと見た目が良い帯締めはほぼ平組です。平べったい紐ですね。礼装用からカジュアルまで使えます。色合わせで個性を出しましょう。帯留めは洒落ものなので、卒業式では使えません。卒業式には平組の帯締めを締めましょう。

2-4. 卒業式に着る着物、帯揚げは淡い色、スリッパは踵あり


着物が濃い色なので、帯揚げは淡色が良いと思います。礼装用の白い帯揚げじゃなくていいんです。スリッパは校内のペタンとした物ではなく、踵(ヒール)のある物を自分で用意しましょう。ペタンスリッパだと階段などで着物の裾が汚れてしまいます。

私が本気で着物に取組んだのは、娘の小学校の卒業式でした。
娘の卒業式に自分で着物を着たい!と母の着物を引っ張り出し、着付け教室の門を叩いたのが始まりです。

実を言うと初回の講習から卒業式まで、1ヵ月半しかありませんでした!

着付けの先生に事情を話し、猛特訓です。無謀な挑戦をしたものだと今では思います。
センスのある人なら、1ヵ月半で着物は着られるようになると思います。
が、私には着物に関してセンスも素養もありませんでした。
でもね、「着ると決めたなら、ちゃんと着なさい!」亡くなった母のそんな声が聞こえた気がしたのです。それからというもの、六三三で12年、大学の卒業式、入学式には家紋の入った色無地を着て出席しています。