お得な着物

鬼滅の刃に見る和柄、古典柄の魅力

こんにちは。着付け教室「きらら」のアシスタント、ゆうです。
今回は着物の柄のお話。
突然ですが私もご多分に漏れず鬼滅の刃大好きです!!推し柱は、派手を掌る祭りの神、宇髄天元さま。従ってアニメシリーズ第2期が待ち遠しくて仕方ありません。音柱の魅力について語らせたら10,000字でも足りません。

なので今回は、
「鬼滅の刃」に見る和柄、古典柄の魅力

鬼滅の刃が爆発的ヒットに繋がった理由は100,000字でも足りませんが、その一つに物語全体に流れる和の魅力があると思われます。
子供たちは登場人物の衣装に夢中になりグッズ発売が待てず、お母さんたちは手芸屋さんに殺到しました。求むは和柄の布地です。未だかつて無い和柄人気が到来したのでした。
物語は大正時代、日本に西洋の価値観が浸透し、和と洋が徐々に混じり合った世界です。
時代を超えて鬼を滅する者たち、鬼殺隊は和魂を持って、敵に立ち向かっていきます。
炭治郎らの着物や柄について、諸方面で語られていますが、本記事では着付け教室アシスタントで日本史学科卒で民俗学をちょっぴりかじったあわたゆうが考察を加えて参ります。以下コミックスネタばれを含みます。

炭治郎の市松模様~限りない不滅の心~

炭治郎の羽織の柄は初登場時から緑と黒の市松模様です。(鱗滝さんの所で修行しているときは波模様)

炭治郎の市松模様

市松模様の歴史は古く、日本では人型埴輪の衣類に見られ、法隆寺、正倉院にも裂(きれ)が残されています。正方形を配し交互に色を変えた市松模様は、世界的にも人々が古くから親しんできた柄でした。有職故実では石畳、霰模様と呼ばれます。
一般庶民に大人気となったのは江戸時代中期以降です。歌舞伎役者佐野川市松が紺と白の交互柄を舞台衣装にした所、大人気を博し、民衆の間にも流行しました。
市松模様は柄が途切れることなく続くため、末永く続く、永遠に途切れないという意味を持っています。

これこそ鬼滅の刃の最も重要なテーマ、不滅の心ではないですか。

お館さま、産屋敷耀哉さまは言いました。
「永遠というのは人の想いだ。人の想いこそ永遠であり不滅なんだよ」(第137話より)
炭治郎は先祖から続く人の想いを受け継ぐ者です。市松模様の羽織を着ることで、過去に生きた人の想い、不滅の心を背負っているのでしょう。炭治郎の先祖、炭吉も市松柄の着物を着ていました。
鬼のいない安らかな世を願う心、最愛の仲間たちの幸せを願う想い、それこそが永遠、不滅です。
この描写に気付いた時、私は「鬼滅の刃」の奥深さ、吾峠呼世晴先生の発信する人間愛の素晴らしさに胸が震えました。

想いは不滅、市松柄を羽織った炭治郎は初登場の時からずっと私たちにそのことを伝え続けていたのですね。

善逸の鱗柄~水神と雷の関係~

常に人気投票上位の我妻善逸、雷の呼吸の使い手ですが、壱ノ型以外の技が会得できない、女の子大好き、怖いの大嫌い、痛いの嫌と、どこをとっても極めつけのヘタレキャラです。ですが、「雷の呼吸、壱ノ型霹靂一閃は一番かっこいい型!」と、子供たちの絶大な支持を得ています。
善逸の着る羽織は、鱗柄をちょっとアレンジしたもので、散りばめた三角と鮮やかな黄色が雷を彷彿とさせます。

本来の鱗柄

本来の鱗柄は三角形が交互に並び、歌舞伎や能では水神、竜、蛇、女の執念を表すものでした。また鱗で身を護るという意味で厄除け、魔除けにも用いられます。
善逸の着物の柄が女の執念を意味するというのも言い得て妙ですが、固い鱗によって身を護る、とはいかにも善逸らしい気がします。
魔除けの柄を着せるというのは、善逸の師匠、桑島慈悟郎じいちゃんの、弟子たちに対する深い愛ですね。善逸の兄弟子、獪岳は嫌がって絶対に着なかったというのも、いかにもらしいエピソードです。

私の住む島には鬼太鼓という伝統芸能が伝わっています。起源は不明ですが、鬼太鼓の鬼はなまはげのような客人神(まれびとがみ)であり各家に角付けし、舞いにより魔を払い幸運と春を呼び込みます。

島の伝統芸能 鬼太鼓

島の鬼はよく見かける(?)虎のパンツではなく、鱗柄の衣装に脚絆をつけています。豪快に飛び、低く腰を落として舞う姿はに猗窩座少し似ています。
鱗柄の鬼は水神、海から来る精霊を表し、島の春は海がもたらすものと考えられていたのでしょう。

水神が雷に繋がるものはないか、調べてみました。
古代中国では雷鳴や落雷があると、「天が竜を取る」との言葉があるそうです。
「竜は樹々や家の中に隠れていて、雷がそれらを破壊すると竜は姿を現わし、雷を取って天に昇る」(後漢『論衡』)
普段は身を隠し、家が破壊されると雷を掴んで天に昇る、それって正に善逸ではないですか!
竜は鳴き声によって雲を呼び嵐や雷雲をもたらし、竜巻となります。
日本でも干ばつが続くと竜神に供物を捧げ、雨乞いの祈祷が執り行われました。
いずれにしても水神(竜)と雷、雷雨といった天候の間には密接な関係があると信じられていたようです。
鬼太鼓の鬼は、水神、天候の神、春を呼びこむ春雷の化身と言えるかもしれません。

魔除けのため、鱗柄を着せたじいちゃんの愛も深いですが、善逸くんの脳内がいつも春のお花畑だと思うと、納得しきりの柄選びです。

禰津子の麻の葉模様~着物に籠めた母の願い~

禰豆子は黒羽織の下に麻の葉模様の着物、ピンクの市松柄の帯を締めています。大正時代、一般庶民の女児がお太鼓を結び、帯締め、帯揚げをしている姿はちょっと時代考証的に誤りでは、と思われますが、現代っ子のイメージする着物姿とはこうした装いとなるのでしょう。
麻の葉は六角形を基本にした直線模様です。

禰豆子の麻の葉模様

日本では縄文時代の遺跡から麻の実が見つかっていますし、公家以外の衣服は麻で織られたものでした。耐久性があり通気もよいことから庶民の衣服として長く親しまれています。私も夏の襦袢には麻を愛用しています。←安いし、涼しいのです。
麻は生命力が強く、成長が早いことから麻の葉模様は子供の成長を願う柄とされています。次々に生まれ出る新葉にあやかり、子孫繁栄の意味も持っています。
日本の親は子供、特に女児の健やかな成長を願って、麻の葉模様の着物や産着を着せました。
ここで思い出すのが、炭治郎、禰豆子のお母さん、
那田蜘蛛山で窮地に陥った炭治郎。お母さんの亡霊は必死に禰豆子に語りかけます。
「禰豆子、起きて、お兄ちゃんを助けるの。今の禰豆子ならできる。ごめんね、お兄ちゃんまで死んでしまうわよ」
麻の葉の着物には母から子へ「生きてほしい!」との願いが籠っています。
禰津子が生まれた時、お母さんはその健やかな成長と共に、子孫繁栄、良い子をたくさん産む母になってほしいと願いました。家族を守る、命を守る女性になってほしい、と。襧豆子はその願いに答えうる女性に成長し、兄炭治郎を救いました。


「鬼滅の刃」最終巻で禰豆子はあーなってこーなって、母の願い通り子孫繁栄を果たすことができたようですね。
子供の着る服には母の願いが籠っています。
禰豆子は鬼になってしまいましたが、幸福に生きてほしいとのお母さんの願いをいつ何時も身に纏っているのです。

和柄大好き中国人留学生のAくん、再び登場してもらいます。
着付け教室で留学生に着物を体験してもらおうと、先生と二人で20人位浴衣を着せていました。
自分の着付けが終わるとAくんはスマホ画面を私の目の前に差し出します。(私は他の人を着付け中)
彼が見せたスマホ画面はピンクの麻の葉柄が映し出されています。彼はこの柄は何だ?と質問してきました。
彼が鬼滅の刃のファンだったのか、その辺りは確認していません。
別の男子学生の帯を締めあげながら、私は、
これは麻だ。麻の葉模様だ、でも私、今取り込み中、頭が回んない、、、思わず近くで着付けしていた先生にヘルプです。
「先生、このスマホの柄は何か?って質問されました!」
先生も男子学生の帯を締めあげ中、声だけヘルプをくれました。
「麻よ、麻の葉!子供の成長を祈る柄よ」
そうですよね、そう、、、判ってはいるんだ。えーと麻の英名は、、、、、、確かそうHempだ。この間楽天で買った麻紐のブレスレットは、ヘンプアクセサリーって書いてあったもん。
よし!!
「Hemp!hemp’s leaf.」
納得してくれたAくん、そこへ先生の一声が飛び込みます。
「子供の成長を祈る柄って言いなさーい!!」
え?それちょっと私にはハードル高いです、先生!私、着付けの勉強はしてますけど、英語の勉強は中学で止まってます。
Aくんの周りに集まってくる男子学生諸君、逃げも隠れもできません。(着付け中だってばよ!)
「えっと、えー、That’s meaning of 、、、、grow up!for child.」
(子供がおっきくなる的なジェスチャー付き)
もうやけくそ、、、ですが彼らの反応は
「so good!」
「好好!」
だったので多分伝わったのだと思います。
親が子に着せる着物に願いを籠める、きっと彼らの国でも同じような風習が継承されていることでしょう。

鬼滅の刃に登場する着物や柄は一部を除いて、当時の庶民が普通に身に着けていたものです。現代ではその慣れ親しんだ美しさに注目が集まり、和柄の魅力が子供たちに引き継がれています。古くからあるものを大切にして、次代に継承していく、それもまた永遠に途切れない、不滅の想い。
着物も和心も継承していく、それがこのサイトのメインテーマです。

(よし、繋がった!!)

それでも桜咲く!入学式に着る着物

着付け教室「きらら」のアシスタントゆうです。
コロナウィルスによる脅威、緊急事態宣言が発令されています。3月21日以降緊急事態宣言は解除になるようですが、新年度4月からの状態がどのようなものかまだまだ予測のつかない現状です。
4月の入学式は各地域、各学校により判断基準が分かれ、自分の地域がどのような形態で挙行されるのか、されないのか現時点では全く判りません。同地域でも各学校により入学式の扱いは異なる為、「隣の学校は保護者出席ありなのに、こちらの学校では出席できない」と
いた現象が起きています。
1日も早くはっきりさせてほしい、が保護者の本音と思われます。世界中がコロナに翻弄され一年以上が過ぎました。
今年の入学式、何着よう?保護者出席ありかしら?そもそも入学式あるの?とやきもきしている保護者の方も多いと思われます。

だからこそおすすめします。着物で撮る写真入学式!

自分で着る着物であれば、入学式の形態がどのようなものであれ、自分と子供さんの都合の良い日を選んで写真館に予約ができます。既に子供の制服は用意ができているはずですから、お父さんや兄弟児を誘って家庭内入学式の出来上がりです。
わが家は子供の成長の節目ごとに写真館で記念写真を撮っています。仕事の都合で入学式のあと写真館に行けないときは、後日着物を着て写真を撮ってもらいました。自分が着物を着る人間でなければそんな面倒なことはしていないと思います。
入学式は子供が新しい世界に飛び立つ記念の日、晴れがましい装いで送り出したいものです。

1.入学式に着る着物

入学式に着る着物は礼装です。礼装と言えば付下げ、色無地など挙げられますが、一番のおすすめは訪問着です。入学式は卒業式と違い、春の暖かい陽光の下、華やかに晴れやかに開催される行事です。春物スーツで出席するように、明るい色目の訪問着、できれば花柄や吉祥柄を選んで出席したいですね。

入学式に着る着物 

訪問着>付下げ>色無地(明るい色)※>はおすすめ度もしくは格順
袋帯→二重太鼓、できれば金糸入り
帯締め→平組
帯揚げ→礼装用でなくてもOK

入学式の装いは淡色の明るい訪問着に袋帯で二重太鼓、平組の帯締めで臨んで下さい。淡色の付下げや一つ紋の入った色無地も素敵です。
訪問着ってどんな着物だっけ?と思ったらば、こちらへどうぞ。

2.入学式のルールとNG

入学式に和服を着る場合、小紋、名古屋帯、お太鼓柄の袋帯、帯留はNGです。
豪華な小紋であれば許容範囲という意見もありますが格のルールは守るに越したことはありません。
着物には格のルールがあります。
格の高い着物には格の高い帯を合わせます。入学式は冠婚葬祭ですから、格の高い着物と同等もしくはそれ以上格の高い帯で参列します。格違いをすると恥ずかしい思いをしますよ。

小紋はお洒落着、普段着です。小紋を着る場合、締める帯も名古屋帯が基本なので、冠婚葬祭では不向きです。卒業式とは反対に入学式は華やかさが求められますから、誰もが一番気に入っている着物を着たいのが人情です。最近では華やかさゆえに淡色、花柄の小紋で入学式に参加する保護者が見られますが、格式で言えばNGです。小紋は着物全体に柄が散りばめてあるので、視線がうようよしがちです。訪問着は豪華な柄付きですが、柄は上から下への続き柄なので、落着いた印象になります。

名古屋帯はお洒落着であり礼装用ではないので、基本的にNGです。吉祥柄であれば名古屋帯もありとの意見もありますが、袋帯の二重太鼓には「良いことが重ねがさね」という意味があるのでやはりここは袋帯が良いと思います。お太鼓柄の袋帯はお洒落着なので小紋に合わせる場合は問題ありませんが、冠婚葬祭の装いにはなり得ません。

<見れば一目瞭然、礼装用袋帯とお太鼓柄袋帯>

礼装用袋帯
お太鼓柄袋帯

豪華めに見える花柄の小紋に金糸の袋帯を合わせて、入学式に使えるかコーデしてみましたが、やはり帯が浮いた感じがしました。

これは無いだろ、というのが帯留めを使用している場合です。現在の帯留めは純然たるアクセサリーで冠婚葬祭では用いません。幕末から花柳界で流行し西欧のブローチを模して作られた、と謂います。
確かに帯留めは楽しい!私もイベントで購入したものや自作したものなど、いくつかコレクションしています。思い出深い品ばかりで人に見せたい、気持ちは確かに判ります。でも、、、使えないのよ、入学式では!なぜ?どうして?結構高かったのに?ここまで読んだ方はわかりますよね?
帯留はお洒落具だからなのー!!
冠婚葬祭で帯留は使えないのー!!
でもたまーにいます。素敵な訪問着に帯留して式に出ている人。帯留を使う場合、紐を通す為に細い帯締め、三分紐を締めなくてはなりません。三分紐は細過ぎて礼装用の重い帯を固定するには無理があります。入学式の帯留は格の違いと実用性、二方向からNGとなってしまいます。礼装用の帯と同格の帯留もあり得ませんしね。帯留は遊び感覚の強い装身具ですから、私は着付けのお稽古ですら身につけてはいません。教えを乞う先生に失礼にあたるのでは、と考えるからです。その分プライベートで出かける時は気に入った物、季節や目的に合った帯留を着けて悦に至ります。(( ̄― ̄)ニヤリ

3.悪天候、入学式の強者

私の住む地域、入学式の時期は天気が悪いことが多く、予定が近くなると天気予報を見ては、やきもきします。着物の場合、雨コートや雨草履も用意しなくてはなりません。ほんの少しの水分でも着物には天敵です。私は車を運転して学校へ行くので草履着用は校内のみ、校外や運転中はサンダルやペタン靴で、と割り切って防水に徹しました。
その年の入学式は数日前から天気が悪く、学校の敷地は目一杯ぬかるんでいました。なるべく外を歩かずにすむように、体育館に最も近い位置に車を停めます。着物の裾をからげて帯に挟み、紐で縛ってその上から雨コートを羽織り、体育館のトイレで個室に籠って裾をバサバサ戻していました。
うちの子の学年は比較的着物好きが多く、毎回同じメンバーが和服で参加していました。田舎ですから入卒式はほとんど面子が変わりません。いつしかお着物クラブみたいなグループが出来上がっていました。(笑)みんな仲良く会場で写真を撮ったり、着物にまつわる意見交換をしたりしています。
中には4人兄弟を育てあげ全ての入卒式を着物で完遂した、強者ママさんがいました。私たちはその方を着物番長と呼んで、ご尊敬申し上げています。
その日の着物番長さま、ちょっと遅めの会場入りでした。我らお着物クラブの面々を見つけると彼女は開口一番、
「聞いてちょうだい!あたし今日軽トラなの!!」
「「「「「ええー???マジでー???」」」」」
着物で運転することさえ嫌がる人が多いのに、軽トラで、訪問着で、入学式ってすご過ぎでしょ。軽トラックのステップの高さ、知る人しか知りませんが、よじのぼる位高いんですよ!(イメージ的に)一体どんな体勢で降車したのか、皆目わかりません。
しかもぬかるんだ学校内のグランドを横切って、彼女は入学式会場に颯爽と現れたのでした。自分の車を旦那が乗っていった!と憤慨していましたが、着ていたお着物には水染み一つありません。悪天候時の着物の所作に慣れてらっしゃるのだと思います。
すごい、すごいよ番長!あなたこそ着物の強者!

悪条件でも臆さずに着物を着る、それこそが着物番長、和服の強者です。

TPOを楽しもう!留袖から小紋まで目的別着物6種

「着物は決め事が多くて面倒くさい」との意見を耳にします。

確かにそうかもしれません。着物は○○でなければならない、とのルールが多いのです。ですがその多くは冠婚葬祭、礼装に関することで、普段着、カジュアルな着物にはそれほど面倒なルールはありません。最近ではカジュアル着物を自分なりにアレンジして自由にお洒落を楽しんでいる着物女子をよく見かけます。

ですが、日本の着物が今日まで生きているのは、厳格と言ってもよいほどの、ルールによる所が大きいと私は考えます。

着物における厳格な取り決め、守るべきルールが無ければ着物は既に日本の国土から消えているでしょう。その最たるものが留袖です。留袖が日本女性の第1礼装である、という取り決めがなければ現在結婚式で着る人はいない筈ですから。

逆の発想をしてみます。「来春、甥っ子の結婚式何着よう?招待客じゃなくて親族だし?洋服?靴、ヒールの高さは?バッグはエナメル?一体何をどう着ようかと考えていると衣裳ドツボにはまりますよ。

冠婚葬祭について、きちんとルールが決められている方が楽じゃないですか?

着物を目的別に分類し、TPOに即したルールを復習してみます。

1.フォーマルな着物

1-1 留袖 ミセスの第1礼装
1-2 色無地 これさえあれば憂い無し
1-3 訪問着と付下げ、格付け+お洒落感を満喫

2.カジュアルな着物

2-1小紋 着物の神髄を味わう
2-2紬  伝統技術を身に纏う
2-3 浴衣 みんな大好き!夏の着物

1.フォーマルな着物

1-1.留袖 ミセスの第1礼装

フォーマル着物の筆頭は既婚女性の第1礼装、留袖です。
留袖とは洋服で言う所のイブニングドレスに相当し、最も格の高い衣裳です。現在の留袖とは着物の裾部分に絵羽模様(上下続き柄)が入り、五つ紋(胸紋、袖紋、背紋)が入っているものを指します。黒地に絵羽模様の着物を黒留袖、色地に絵羽模様の着物を色留袖と呼びます。明治17年に「礼服は縮緬か羽二重、黒または色物、五つ紋付き、裾模様に白羽二重の重ね」との法令が出されました。以来、神式、キリスト教式を問わず、結婚式では新郎新婦の母、親族の既婚女性は黒留袖を着用するものとなっています。
近世より女性は既婚または一定の年齢を過ぎると振袖の丈を短く留める、という習慣がありました。古神道では袖には呪力があり、思いや念が籠もるものとされています。万葉集などの古典には袖にまつわる表現が多く出てきますが、
「袖振る」(大好きー、な感じ)
「袖を濡らす」(グスン、悲しいよー、な感じ)
「袖を絞る」(もう大号泣―!な感じ)
いずれも恋愛や涙に纏わる言葉ですね。袖を留める、とは少女時代の自分と決別する、過去の未練をここで押し留めるという意味があるようです。(“断つ”という言葉は縁起が良くないので“留める”)
結婚式には黒留袖、というのは厳格な着物のルールですが、袖を留めて次のステージにかけあがる日本女性の姿は、潔くかっこいい生き様じゃないですか。

1-2 色無地 これさえあれば憂い無し

生涯で最も着る機会が多い礼装が色無地です。色無地とは地紋のある白生地を一色で染めたものを指します。家紋入りであればお宮参り、入学式、卒業式、お茶会にも着用できます。日本人の色彩感覚は恐るべきもので、伝統色の色数は無限です。
私は浅茅色の色無地に金糸の袋帯で同僚の結婚式に出席し、同じ着物に黒帯を合わせて法事にも着用しました。
絵柄の無い単色の着物は華美に走らず、格を保ち、落ち着いた印象を与えます。
インターネットで紺絽の色無地を購入し、背に一つ紋を入れて夏の礼服にしました。夏用ですからポリエステル、洗える着物でございますよ。夏場は洗える着物推奨な私。母の法事にポリエステルの色無地を着て参列した所、お寺の奥様が「あら、いい着物じゃない、え?化繊(ポリエステル)なの?」と言われたのでOKなのだと思います。ポリだけど紋付、高い素材にすればいいってものでもありません。(正絹の方が涼しいけどね)
紋が一つ入っているだけで、色無地の着用範囲はかなり広がります。
ありがたや、色無地!強い味方、色無地!
色無地は紋付でなければ礼装にはなりません。これも着物のルールです。

1-3.訪問着と付下げ 格付け+お洒落感を満喫


訪問着とは華やかな全体柄で留袖の次に位置する着物です。呉服店で着物を誂えると一番に訪問着を薦められることと思います。だって高級だから。親族以外の結婚式、入学式、パーティーなどに適しています。訪問着に紋を入れると格が上がり、着用範囲が限定されるので、紋を入れない場合が多いようです。紋に拘らないのであれば訪問着一着あれば冠婚葬祭からちょっとしたお呼ばれまで、難なくこなすことができますよ。飾り気の無い色無地よりも訪問着の方が人気は高いですしね。しかし私、訪問着は余り好まないのです。理由は豪華に見え過ぎるから。冠婚葬祭は着物の品評会じゃないのだから、豪奢であれば良いとは限りません。その場と自分の立ち位置に合った着物を選ぶべきと考えます。個人的に訪問着の派手さに自分の顔が追いつかないだけかもww
私が好んで着るものは訪問着よりも付下げだったりします。付下げは反物の状態で柄付けするので、左胸と裾部分にしか柄がありません。ワンポイントみたいなイメージですね。訪問着より少し格は下がりますが、派手過ぎない柄付きはさりげない美しさがあります。私が大学の卒業式に袴と一緒に着ていたのも付下げでした。(当時は着物のことを何も知らなかったので、母に無理やり着せられた)柄が少ないので基本的に付下げは訪問着の半分のお値段です。(例外あり)だからこそ売る側は付下げよりも訪問着を全力でおすすめするわけです。お店では「いやあ、最近、付下げはほとんど無いですよ。訪問着なら良い物がたくさんあります。こちらなどいかがでしょう?」と言われました。だって仕方ないじゃん、私は付下げが好きなんだもん。訪問着と付下げ、格はほとんど変わりませんから、あとは好き好きですよね。ならばこそ、私は訪問着よりもお得な着物、付下げ推しです。

私が子供の入学式で着ていた付下げ、実はB反品でした。

2.カジュアルな着物

 2-1.小紋 着物の神髄を味わう

小紋とは全体的に柄付きがある着物、繰り返し同じ模様を染めた着物を指します。お洒落着の筆頭と言えば小紋で決まりです。観劇や街歩きなど、要するに普段着として楽しく着られる着物です。観光地でレンタル着物として提供されているのは小紋ですね。本当の着物好きとは小紋好きな人でしょう。小紋こそ個人の趣味が大きく反映される着物だと思います。初めて着物を着る人はやはり小紋に袖を通すことになります。ネット販売でとてもお得な着物セットというと、小紋と名古屋帯、帯締め、帯揚げなどがひとまとめになっています。ポリエステルが多いと思いますが、こうした小紋セットは着付けの練習用に最適です。あまり深く考えず、自分のセンスで着たい!と思うものを選びましょう。

2-2.紬 伝統技術を身に纏う

も楽しいカジュアル着物です。紬糸を織り上げしっかりとした布地になるので、着付けると線がバチっと決まります。紬とは先に染色した糸を織り上げる着物なので、(他の着物は白反物に染色し柄を描く)織り上げていく行程で幾何学的な模様が浮かび上がります。想像できます?柄を出す為に全ての糸を計算して染めていくんですよ。Amazing!職人芸と一言では表現しきれない神業が連綿と伝えられているのです。日本各地に伝わる独特な紬は伝統技術の極みに達しているでしょう。こうした織物は女性が考案した物が多いそうです。紬は普段着ですから、「少しでも綺麗なものを着て、日常を過ごしたい!」という女性たちの切望が生み出した衣類なのでしょう。普段着として編み出された紬は今では芸術作品として昇華しています。大島紬、結城紬、小千谷紬など優れた紬は古から続く地元女性の心を映すもの、彼女ら何をを思い杼をさしていったのか、優れた紬を見ると産地を訪れてみたくなります。

2-3.浴衣 みんな大好き!夏の着物

現代人がもっとも親しみのあるカジュアル着物、それが浴衣でしょう。老若男女、みんな浴衣が大好きです。浴衣は洋服で例えるとGパンくらいの格付け、と言われますが、現在はお洒落着という位置付けでよいと思います。Gパンより全然かわいいじゃん、てことで。江戸城大奥で将軍さまがお風呂から上がると、手ぬぐいといった物は使いません。一枚一枚浴衣を着せ、水分を取り除くんですって。なんて無駄、いや贅沢な。女官たちはその浴衣を頂き、大事に国元へ持ち帰るのだそうです。お風呂で着る着物だから浴衣となります。元々は下着感覚だったのでしょう。高温多湿の日本で浴衣は実にありがたい衣服です。夏祭りや花火だけでなく、昼間のお出かけにも浴衣を着て行きましょうよ。
浴衣は誰でもすぐに着られるようになる着物です。以前高校生に自宅で浴衣を着せていた時、「見てればすぐに覚えられるよー」と言いました。そしたらば、女子高生4人揃ってガン見!!です。熱い視線を感じながら一人ひとり着せていくと「ゆうさん、次わたしにやらせてください」とか「一人で着てみたいです」と嬉しい言葉が聞こえてきました。次の夏まつりには自分で浴衣を着る姿が見られるかもしれません。浴衣が着物を未来へ継承するきっかけになれば、と思います。

家紋ってすごい!日本文化を代表する家紋

こんにちは。佐渡島着付け教室「きらら教室」のアシスタントゆうです。
前回は卒業式に着る着物は色無地1択、とのお話をしました。
今日は色無地などの礼装にはつきもの、家紋のお話をさせて頂きます。

  1. 家紋とは何か
    1-1家紋の由来
    1-2家紋の種別
    1-3礼装における紋付の格

2.女性は実家の紋を継承する
 2-1実家紋と婚家紋
2-2地域による風習の違い


3.世界も注目、日本の家紋文化

1.家紋とは何か

日本の家庭にはどの家にも家紋が伝わっています。家紋とは平安時代に端を発し、家族、一族の証を示す図柄です。若い夫婦が新しい家紋を作る場合もありますが、ほとんどの日本人が「あなたの家紋は何?」と聞けば自分の実家に伝わる紋を「これだよ」と答えるでしょう。

1-1家紋の由来

家紋とは平安時代、外出した際に牛車の所有者を明らかにするための目印として考案されたとされています。(この風習を知ったとき、「お名前シール」じゃん、と思った私、、、)
藤原鎌足、不比等の子孫「藤原四家」の例もあるように、古代から中世にかけて同姓他家が多く存在したのも、家紋が一般的な慣習となった理由と考えます。

1-2家紋の種別

家紋を生業で分類すると、公家紋、武家紋、商家紋などがあります。
公家紋は雅やかで古くからあるものですから、草木柄が多いですね。藤原氏は藤の花紋、菅原道真の菅原氏は、梅花紋など美的な柄を重視しているようです。
反対に武家紋は旗や指物に染め抜き、戦場における目印として発達したので、一目で分かり易く、大柄な物が多いようです。徳川の葵紋や織田信長が用いた木瓜紋などが特徴的です。五三桐(ごさんのきり)紋は豊臣秀吉が用いた紋です。秀吉は農民から成りあがったヒーローですから、多くの農業家がこの紋を家紋としました。
商家は家紋を店の暖簾に染め出し、商売の広告塔とします。ヤマサ醤油の𠆢にサなどですね。職人の家は槌やのみなど使用する器具を図案化したものが多く、とても興味深いです。

私は父方の家紋が違い鷹の羽、母方が五三桐でした。

父方の紋「違い鷹の羽」




母方の家紋「五三桐」

違い鷹の羽は、武士が矢に使う鷹の羽が交差した図柄です。つまり家紋で先祖の生業が推測できるわけです。(どうりで父方の親戚はみんな厳格だったし、母方の親戚はみんなおおらかだったな、、、)

1-3礼装における紋付の格

女性は実家の紋を継承する、私は母からそのように教わり、実家の五つ紋が入った黒留袖を受け継ぎました。着物の格は紋の数で決まります。留袖は五つ紋が通常で既婚女性の第一礼装となります。一つ紋や三つ紋は準礼装、整理すると以下のようになります。


黒留袖 五つ紋→第1礼装(フォーマル)…結婚式の両親、親族(既婚)
色留袖 五つ紋→第1礼装…(フォーマル)結婚式の両親、親族(未既婚)、叙勲など
色無地 三つ紋→正装~準礼装(ちょっと↑なセミフォーマル)結婚式、お茶会
色無地 一つ紋→準礼装(セミフォーマル)結婚式、入学式、卒業式、法事

黒留袖の五つ紋は基本的に結婚式でしか着ないものと考えて下さい。五つ紋全てがばっちりときれいに見える着付けは格調高く、かっこよく見えます。
一つ紋の色無地は最も汎用性の高い着物です。暗く濃い色目であれば、秋冬の結婚式にも行けますし、卒業式には最適な着物。喪服用の黒帯を締めれば法事にも着用できます。
汎用性を考えると一つ紋の色無地さえあれば、ほとんどの冠婚葬祭は何とかなるわけです。
洋装は慶事と法事で衣服の種類が違い、また夜と昼、時間帯でも着る服が変わってきます。(イブニングドレスとかアフタヌーンドレスとか、何とか)
そうなると一つ紋の色無地ってとってもお得な着物でしょ?
着物に紋をつけると格がぐぐっと上がります。紋の数が増えると更にあげあげに、、、
江戸小紋(微細な柄が全体に染められた着物)に紋を入れる場合もありますが、一見無地に見えるとはいえ、小紋と名のつくものに紋を入れる必要は無い気がします。小紋はおしゃれ着ですからね。江戸小紋は紋無しで、颯爽と街を歩きたいじゃないですか。姉さん、粋だねえぃ!ってなもんで。

2.女性は実家の紋を継承する

2-1.実家紋と婚家紋

地域により風習は異なりますが、私は母から女性は実家の紋を継承すると教わりました。母は着物の仕立師だけでなく、呉服店で営業したり、着付け教室の講師をしたりと着物のエキスパートだったのです。(私んちお金無かったもんでwww)

家紋とは自分がどこから出た者か、その出自を表すものですから公の席で実家の紋を染め抜いた着物を着ることは道理と言えます。結婚前に誂え、もしくは継承した着物は実家紋であるべきです。最近では少ないですが、婚約時に婚家紋を染めた着物を作ったという人がかなりいます。

「お嫁に行く時は婚家紋の留袖、喪服、色無地を作って嫁入り道具にします。これ常識ね」

その常識、間違いですから!!

それこそが呉服店の販売戦略なんですのよ!!!

そんな真似してんのは昭和20年代~60年代までの話です。呉服店が下降気味の着物需要において、高く商品を売ろうとした結果、編み出した非常識です。

よーく考えてみて下さい。結婚する前から相手の家の紋を聞き出して着物を誂えるって至極厚かましい行為じゃないですか?離婚するときその着物どうすんの?って話ですよ。

正しくは結婚前に用意する着物は実家紋、結婚後に誂える着物は婚家紋です。

結婚式で自分だけ親族と紋が違う、と引け目に感じなくていいんです。式場内で家紋はバラバラで当たり前。家紋はユニフォームじゃありません。自分がどこから来たかを示すものです。

結婚前に高いお金をかけて婚家紋の着物を作る必要は無いんです。

だからこそ、留袖や色無地といった礼装用の着物はお母さんやおばあちゃん、叔母さんから頂いてしまいましょう。

着物は継承する衣類です。

2-2.地域による風習の違い、女紋

関西には独特の女紋、という風習があります。女子だけに継承される紋で、曾祖母→祖母→母→娘→孫娘と継承されます。家の中で女性だけが別の紋を持っているわけですね。商家は嫁いだ先でも実家の力を誇示する必要がある為、というのが女紋の由来ですが、私はもう少し根源的な問題のような気がします。
古来、日本は母系社会です。生まれ育った家には女性が残され、通い婚で男性は他家へ迎えられます。平安文学には女児が実母と家に残され生活している描写がよくあります。男性は公職に出仕し、自分で財を成す立場にありましたから、実家は女子のものという慣習だったのでしょう。
広島で呉服に携わっていた母は一度だけ女紋の家系に出会ったことがあるそうです。関西でも珍しくなった女紋ですが、自分のルーツを母系で遡ることは実に意義深く、貴重な史実に行き着くように思います。

3.世界も注目、日本の家紋文化

外国の方に着付けをすることがよくありますが、彼らが和服に寄せる興味関心は日本人のそれを大きく上回っています。着付けをしながら様々な質問がバンバン飛び交います。
しかも私、英語力、0ですからー!もう大変!!
中国の男子学生から、これは何だ?と聞かれたのが男性紋付に染められた五つ紋でした。
私、中国語力も、0ですからー!
あれこれそれこれ、中学校の英語の教科書New Hrizonを脳内でめくりますが、出てきた文言は、
「うーん、えーっと、This is family’s mark.」
もうちょっとかっこいい英文出てこないかなー自分、と内心嘆いていると彼は急に身を乗り出してきました。
「excellent!!」
『我々の国にもかつて家族の紋章というものがあったが、今ではほとんど失われてしまった。日本に紋章が残っていることは非常に素晴らしい』
と、といった感想を熱く述べました。
彼は日本人以上に家紋に興味を持ち、自国で失われた文化を憂いていたのです。彼と同じ年齢の日本男性に「お宅の家紋って何?」と聞いても「さあ、よく知らん」と言われることも多いでしょう。
家紋は単なる柄ではなく、継承すべき文化として世界から注目されていることがわかります。
彼の家紋クエスチョンはまだまだ続きます。
「what’s this pattern?」
彼の指さす家紋は藤紋でした。これぞ日本を代表する家紋です。日本に藤の名のつく人はみな藤原氏の子孫と言います。頭の中をぐるぐると私の古代史知識が巡りました。藤原鎌足に始まり、藤原四家、伊藤さん、佐藤さん、加藤さん、彼らは代々天皇家を補佐する家系で云々、、、あれもこれも説明しなきゃ!
でもどうしても、藤の英名が出てきません。私の知識、なんてドメスティック、、、(激涙)
無い知恵絞って出てきた言葉は、
「、、、、flower」
ごめんね、単語力も無くて。次に彼が来日するまでにもっと英語を勉強します。
藤の英名は「Wisteria」。

卒業式は着物で出席しよう!

我が子の旅立ちにふさわしい装いとは

1.卒業式には着物がお勧め

佐渡島の着付け教室「きらら教室」アシスタントのゆうです。
この時期になるとしきりと聞こえてくるのが
「卒業式、何着る?」
とのママ友グループの声。
卒業式における保護者の装いと言えば、黒の礼服か着物の礼装ですよね。
着付け教室でアシスタントをしている自分としては当然、着物をお勧めするわけです。
なぜ私が卒業式に着物をお勧めするかというと、以下の3点が挙げられます。

  1. 着物は長く着られるから
  2. 着物は暖かい衣類だから
  3. 着物で出席すると思い出深い式になるから

1-1.「着物は長く着られる」


私の場合、ワンピースだと6年後、3年後、そのまた3年後になると、
ウェストがやばい。
ファスナー上がるか自信無い。
腹回りが、、、(自主規制)
久しぶりに身に着ける礼装でも、着物ならば多少のサイズ変化に柔軟に対応できます。
サイズの増減は着付けでカバーできるので、式の前に慌てて買い直さなくても大丈夫。着物は長く着られます。

1-2.「着物は暖かい」


私の住んでいる地域は雪国です。卒業式は極寒の体育館、まるで我慢大会です。洋服の人はパンツスーツで参加するのは余り好ましくありませんから、ワンピースに分厚いタイツを履きます。これが私らの地域では相当寒いんです!着物を着ていると足元が暖かいので洋服の人に羨ましがられます。下半身は腰巻き、長襦袢、長着(着物)の重ね着ですからね。タイツ一枚よりかなり暖かいです。着物は床すれすれまで身丈を取るので、長時間の(寒い)式典には実にありがたい衣類です。お腹は二重に帯を巻いているので冷え知らず。冷えは女の大敵ですしね。着物は暖かいです。卒業式にはぜひ着物で出席しましょう。寒い地域の方には特にお勧めします。

1-3.「自分にも思い出深い式になる」


卒業式の主役は子供たちです。こんなに立派に育って、お母さんは嬉しいよ、、、的な達成感を噛み締めるのが卒業式ですよね。
我が子にとって特別な日であるからこそ、母の装いも非日常でありたいものです。
残念なことに黒の洋服で出席するとどれも同じに見えてしまいます。着物であればそれだけで「特別な日」らしさが際立ちます。卒業式に着物で出席すると自分のワクワク感が増す、というお母さんの意見を聞きました。着物はお母さんの胸に輝く勲章です。子供と一緒に成長した自分にご褒美をあげましょう。着物は冠婚葬祭において最も力を発揮する衣類です。卒業式の演出を盛り上げる意味でも、着物は最適な衣装だと言えます。卒業式に着物で出席すると自分にとって思い出深い式になります。

2.卒業式に着る着物


では卒業式にふさわしい着物とは何でしょうか?
私は卒業式に着る着物は、色無地一択と考えます。帯は袋帯の二重太鼓、帯締は平組、帯揚げは淡色ですね。それぞれ解説していきます。

2-1.卒業式に着る着物、色無地


訪問着や付下げがダメとは言いませんが、どうしても華美になってしまいます。卒業式は厳粛な式典ですから、格式があり落ち着いた服装が望まれます。色無地は黒以外の一色で染められた着物で、紋が入ることでセミフォーマル扱いになります。(一つ紋、三つ紋はセミフォーマル、五つ紋はフォーマル)
卒業式は一つ紋の色無地で出席しましょう。訪問着や五つ紋では行き過ぎ感が否めません。着物の地紋は吉祥柄や有職文様、色々ありますが、何でもいいと思います。色無地の地紋は大概慶事柄なので。色は季節的に濃い色、濃紺や濃緑などです。一つ紋の色無地は重宝する着物ですから、近親者の和箪笥に必ず一枚は入っているはずです。女性は実家の紋を継承するので、実母さん所有の着物がベスト。婚家の紋であればそれも良しです。
さあ、勇気を出して言ってみようー!
「お母さん、お義母さん、お祖母ちゃん、色無地の着物貸して!(もしくはちょうだい)」
家紋入りの着物を身に着けて卒業式に臨むと、「先祖代々、一族みんなで君を見守っているよ、卒業おめでとう」そんな思いで胸がいっぱいになります。
ハンカチ、多めに持たなきゃ、、、

2-2.卒業式に着る着物、帯は袋帯で二重太鼓


袋帯は吉祥柄であれば金銀糸入りでも無しでも構いません。とはいえ最近では金銀糸無しの袋帯を探す方が難しいですね。要は家にある袋帯で良しってことで。お太鼓柄(腹と背に柄がある物)は洒落感が強く、礼装では使えません。卒業式は慶事なので、幸福が重ね重ね訪れますように、との願いを込めて袋帯で二重太鼓を締めます

2-3.卒業式に着る着物、帯締めは平組


平組の帯締めって何?と思った人、身近にあるちょっと見た目が良い帯締めはほぼ平組です。平べったい紐ですね。礼装用からカジュアルまで使えます。色合わせで個性を出しましょう。帯留めは洒落ものなので、卒業式では使えません。卒業式には平組の帯締めを締めましょう。

2-4. 卒業式に着る着物、帯揚げは淡い色、スリッパは踵あり


着物が濃い色なので、帯揚げは淡色が良いと思います。礼装用の白い帯揚げじゃなくていいんです。スリッパは校内のペタンとした物ではなく、踵(ヒール)のある物を自分で用意しましょう。ペタンスリッパだと階段などで着物の裾が汚れてしまいます。

私が本気で着物に取組んだのは、娘の小学校の卒業式でした。
娘の卒業式に自分で着物を着たい!と母の着物を引っ張り出し、着付け教室の門を叩いたのが始まりです。

実を言うと初回の講習から卒業式まで、1ヵ月半しかありませんでした!

着付けの先生に事情を話し、猛特訓です。無謀な挑戦をしたものだと今では思います。
センスのある人なら、1ヵ月半で着物は着られるようになると思います。
が、私には着物に関してセンスも素養もありませんでした。
でもね、「着ると決めたなら、ちゃんと着なさい!」亡くなった母のそんな声が聞こえた気がしたのです。それからというもの、六三三で12年、大学の卒業式、入学式には家紋の入った色無地を着て出席しています。

着付け動画を視聴する~着物を自分で着る方法~

着物は自分で着られます。着付け動画を見てみよう!

レベルに合わせて順序良く視聴、着付け動画8本

こんにちは。佐渡島の着付け教室「きらら教室」アシスタントのゆうです。着物は高い!というイメージが一般的です。まずはこの固定観念を吹っ飛ばす所から始めます。

近くに通える着付け教室が無い、個人で教えてくれる人がいない、ならばどうするか。

動画サイトで着付け動画を視聴する、という方法があります。

私もよくYouTubeで着付け動画を視聴しています。しばらく着付けのブランクがあったり、疑問に思ったりした場合です。

「あれ、ここの部分どうするんだっけ?」

となった時ですね。

全くの0から動画だけで着物が着られるようになるには、やはり高い和装センスがある人に限られるでしょう。動画だけで着物が着られるようになれば、こんなありがたいことはありません。

動画で着付けを学ぶにはレベルにあったものを選ぶ必要があります。いきなり綺麗な着付け師さんの、流れるような着付けを視聴しても、その通りには絶対できません。

動画で着付けを学ぶなら、浴衣着付けから始めるのが良いでしょう。視聴動画を見ながら何度か練習すれば、花火大会に行けるようになりますよ。浴衣は着物の基本ですからそこを入り口としてレベルを上げていきましょう。

着付け動画はレベルに合わせて順序よく視聴することが必須です。

これは分かり易い!と感動した着付け動画を紹介します。

これで着物が着られる着付け動画

1.浴衣着付け:「すなおの着物チャンネル
京都弁の解説がかわいらしい、すなお先生の動画。浴衣と着物の違いなどをさりげなく教えてくれます。

2.浴衣の畳み方:「YOURMYSTAR STYLE
 解説が音声でなくテキストです。言葉の理解に役立ちます。BGMが私好みで楽しい。

3.腰ひもの結び方:「木下着物研究所
 つい自己流になりがちな腰紐の結び方、こちらで紹介されるポイントは目から鱗です。

4.長襦袢の着方:「すなおの着物チャンネル
 すなお先生の「長襦袢の着方」完全版です。いかに長襦袢の着方が重要か判ります。襟から裾まで丁寧な解説。

5.着物(小紋)の着方:「nippon labo / 日本文化チャンネル
基本はナレーションの解説ですが、ポイントがテキストで表示されるのが嬉しいです。

6.名古屋帯の結び方:「きものん着付け動画」   
正面の映像と横・後ろの映像が同時に見られるので、分かり易いです。

ここまでは基礎編

7.留袖(比翼襟)の着方:「着付け師Cheeのベルチャンネル
ご夫婦で解説してくれる着付け動画。留袖の比翼襟は難しくてへこみそうになるんですが、こちらの動画は軽快な音楽でテンションが上がります。

8.袋帯の結び方(二重太鼓)「趣通信
映像がバストショットで見やすく分かり易いです。二重太鼓が結べなければ冠婚葬祭には出られないので、繰り返し視聴しましょう。

以上が応用編

全くの0から着物を着るのであれば「すなおの着物チャンネル」を登録し、一番始めの動画から順序よく全て視聴すると良いと思います。
ある程度着られるようになれば、他の動画を比べ見て、ポイントを確認してみましょう。
着付けは個人的な癖が出るものですから、複数の動画を見比べてみると手順が前後していたり、紐の結び方が違っていたりします。解説のナレーションは早過ぎても遅過ぎてもストレスになります。いずれにしても綺麗に着ることが目的ですから自分に合った動画を選んでください。
紐の結び方がどうしてもわからない、3回見ても手元がどうなっているのか理解できない、と思ったら即、別の動画に移ります。
着付け教室や講師が有料でオンライン講座を開設している場合もあり、コロナ禍で教室に通えない昨今とても重宝がられています。カリキュラムの一環として開講されています。
着付け動画だけでなくちょっとした小技や着物に対する考え方をアップしている方もいて、そうした方のご意見を聞くととても勉強になります。
私は粗忽もので面倒くさがりなので、動画視聴だけで着物が着られるようになるのはちょっと無理ですね。やはり部分的に疑問点を解決する為に視聴する程度です。
着付け動画はどなたも見目麗しく、手先も綺麗なので、見ているだけで楽しくなります。動画に使用されている着物も目の保養になるものばかり。こんな風に着物を着られるようになりたい!との憧れを駆り立てられます。
私も以前、着付け教室の先生と着付け動画を作ってみたのですが、撮影と解説を一人でやるのが大変でなかなかうまくいきません。何度も撮り直している内に疲れてきちゃいました。また機会があれば動画を作ってみたい、とは思いますがその時はどなたかにカメラマンをお願いしたいです。やっぱり慣れないことはするもんじゃない、、、

着付けを個人に習う~着物を自分で着る方法~

着物は自分で着られます。着付けを知人に習ってみよう!

こんにちは。佐渡島の着付け教室「きらら教室」アシスタントのゆうです。着物は高い!というイメージが一般的です。まずはこの固定観念を吹っ飛ばす所から始めます。

着物をお得に着るにはどうするか、着付け教室に通う、というお話を前回しました。でも、通える着付け教室が無い場合はどうするか、です。

近くに着物を着る人はいませんか?

お母さん、お姑さん、お祖母ちゃん、親戚のおばさん、ご近所さん…どの地域にも一人位はいらっしゃると思うのです。茶花道を嗜む人なら日常的に着物を着ておられますし。そうした着物達人に声をかけ、教えを乞いましょう。料理を習ったり、ミシンを教わったりするのと同じ感覚です。着物は衣食住、生活の一部ですから。

私の従姉はお姑さんに着付けを習いました。農家の長男嫁である彼女は嫁姑関係においてかなり辛い思いをしたと言います。

「あんた、帯も結べないの?」

「すみません、結べません、あ、そうだ!お義母さん教えて下さい!私、着物着られるようになりたいんです!」

「しょうがないわねえ」(ちょっと嬉しそう)

教えを乞うことで、お姑さんは気を良くしたようで彼女に対して少し当たりが柔らかくなったようです。それからは「お義母さん、教えて下さい!」「しょうがないわねえ」の応酬が続き、お姑さんは自宅で彼女の手厚い介護を受けながらあちらの世界に旅立ちました。葬儀の日、喪服に着替えながら彼女は私に言いました。

「この喪服、お義母さんのよ、箪笥の中身も全部貰っちゃった、私の着物生活0円よ」

ちょっぴり寂しそうに笑った従姉を見て、私は嫁の完全勝利を確信しました。Jちゃん、あなた無双…

誰かに着物を習うとき、きちんとした謝礼と礼儀は絶対に必要です。親しい仲であっても教えを乞う姿勢は大切だと思います。また知人に着付けを教わると嬉しい頂き物があったりするので、

これまたお得な着物です

余力があればお中元やお歳暮をお師匠にお届けする場合、着物で出かけるのも素敵ですね。日頃の修練の成果を見て頂き、同時に感謝の思いを伝えます。着物を着る、ただそれだけで共通の話題になりますから。着物は人間関係の良い緩衝材となるのかもしれません。

着付け教室に通う~着物を自分で着る方法~

着物は自分で着られます。着付け教室に通ってみよう!

こんにちは
佐渡島の着付け教室「きらら教室」のアシスタント、ゆうです。着物をお得に着る方法、その2です。


「着物は自分で着る」

着物は高い!との意識をぶっ壊すには、どうしたらいいか。

自分で着物を着ればいいんです。

頂き物などでお得な着物を手に入れても、他所で着付けをお願いすれば、着付け料が必要になってしまいます。
当たり前のことですが、これって無駄じゃないですか?
私は髪型がショートカットなので、着物を着るとき髪を結う必要がありません。着付けを習っているので、美容院で着物を着せてもらった経験が無いのです。娘の振袖も自分で着せて髪だけ美容院にお願いしました。調べると一般的な美容院で着付けをお願いした場合、訪問着や付下げで5000円~、留袖で6000円~、振袖は7500円~と着物の格によって料金は上がります。ちょっとした街着、小紋や紬で出かけたいと思った時、訪問着並みの料金をとられたくないですよね。しかも着付けの予約を入れた日にしか着物を着られません。予約時間に左右され、行動が制限されます。その結果、

→着物を着る回数が減ります。

持っているだけで何度も着ないのであれば、その着物はかなりコスパ悪いです。
滅多に着ないもの=高い着物になってしまいます。
滅多に着ないからこそ、希少価値でありがたみがあるとの考えに私は賛同しません。
着物は着ないともったいないんだって!
自分で着れば、出かける回数は増えますし、余計な出費はかかりません。
繰り返し着ることによって着物はより愛しくなるのです。
「だって自分じゃ着られないから、お金払うしかないじゃん」
その考え自体をまず取っ払いましょう。
着物は誰でも家で着られるようになります。
日本人ならば100年前は子供だって自分で着物を着ていたのですから。
竈門禰豆子ちゃんだって10代だけど自分で着物、着てるでしょ。

自分で着物を着るためにはどうするか、現代では色々な選択肢があります。
・着付け教室に通う
・個人的に習う
・着付け動画を視聴する

本記事では「着付け教室に通う」お話をしていきます。
着付け教室に通う
着物を自分で着るには、やはり着付け教室に通うことが一番の早道であると考えます。
着付け教室のカリキュラムには短期集中コースや5,6回程度で終了するものもあるので、通っている間に着物デビューできてしまいます。
周囲には着物に興味のある人ばかりなので、刺激になりますし交友関係も広がります。きも友ですね。
着付け教室に通うとメリットしかないと私は思うのですが、一応列挙してみます。
特に④なんかね、私には重要なんですよ。

着付け教室に通うメリット
① しっかりとした基礎が身に着く
② しっかりとした知識が身に着く
③ 小物一式が揃えられる
④ 困った時には助けてもらえる

① しっかりとした基礎が身に着く
着物は基礎に始まり基礎に終わります。紐の結び方一本にしても正しい結び方を知っているといないとでは、雲泥の差ができてしまいます。紐1本の結び方が着装を大きく左右するのでやはり基礎を身につけることが重要です。着付け教室で習った結び方、着方、畳み方などは和服以外の場でも活かす機会が多く、思わぬ所で重宝します。

例えば、子供のお遊戯会など
「キャー大変!舌きり雀のおばあさんの支度がまだできてません!!」
「保育園の先生、ここはお任せください!」
とかね。(実話)

「体育着の紐がほどけちゃうよ、遅刻するー!(泣)」
「この結び方なら絶対緩まないから、早く運動会行ってきな!」
とか。(これも実話)

着付け教室へ通えば誰でも着物が着られるようになります。これは間違いありません。受講料は必要ですが、講座を修了して得る修了証、免許や証書類が就職に役立つこともあり、就職の幅が広がります。つまりは自分の人生に自信が持てるのです。

② しっかりとした知識が身に着く
着物には長い歴史背景と民族的伝統があります。このような知識が無くとも着物は着られますが、それでは未来に繋げることができません。着物の歴史は日本の歴史です。着物という衣類の本質を理解しなければ、やはり美しい着姿には結びつかない、と言えます。教本の用意がある着付け教室では、着付けの手順だけでなく歴史的背景や柄のサンプルなど詳しい記述があり、疑問に思った時はいつでも読み返すことができます。私は着付け教室で実施される講義や座学が好きでいつも楽しみにしていました。外部から特別講師を招聘する場合もあり、貴重な体験になります。私は民俗学を選択していたのですが、教本の監修に服飾史を専門にしておられた恩師の名が載っているのを見て、涙が出そうになりました。故人となられた恩師のお名前にこんな所で出会えるなんて感動です。(服飾史に関しては余り良い学生では無かったので、申し訳ない気持ちでいっぱい)
技術だけでなく知識が身につくと、着物はもっと楽しくなります。七五三に詣でる時、晴れ着の本来の意味を知っていると、お参りはもっと意義深いものになるはずです。
しっかりとした知識は人生の栄養です。

③ 小物一式が揃えられる
何も知識が無い状態で着物の一式を揃えるのはとても大変です。特に小物に至っては何をどう使うのか分からないし、何が必要かもわかりません。私はネット販売で小物一式セット3,000円程度のものを購入したことがありますが、時には不要な物が入っていたり、必要な物が入っていなかったりしました。ほとんどの着付け教室が受講の際、着付け小物一式を購入します。初期費用の中に初めから設定されているので、自然に全部揃えることになるでしょう。教室やコースによっては推奨する小物一式プレゼント、となっている場合もあります。着付け教室で小物を揃えれば、一つ一つに詳細な使い方が指導されますし、余分な物はありません。
着付け教室で小物一式を揃えると、お手軽です。

④  困った時には助けてもらえる
着付け教室に通うと着物を着る人間同士のコミュニティが生まれます。非常にありがたいことです。日常の着物生活で生じた疑問は講師に相談することで解決します。着物で出かけたくなったときは、着付け教室で知り合ったお友達に声をかけます。着物を着る、着せる手が足りないときは、ちょっと助けてー!と言えるじゃないですか。(逆に言えない教室だと問題です)私の通う教室は試験の準備をするときなど、生徒同士で相モデルとなり、他装(人に着せる)の練習をしています。着付け教室で知り合った友人は一生もののきも友ですね。
困った時は、お教室です。

ネットの口コミを見ると、「着付け教室に関するクレームが多い」のが現実です。
その多くは費用に関することで、
「高い着物を買わされた」
「予定外の出費がかかった」
「試験、免状が高い」

などが上位に上げられます。
こうしたクレームは指導者との間に十分な信頼関係が築けていないが為に生じる問題だ、と考えます。指導者が本音を言わない、受講者がつきつめた質問ができないという環境です。いずれにしても健全な教育指導の場ではありません。
  ですが、全ての着付け教室がブラックではないですよ
教室を決める前に十分な下調べをしましょう。一番良いのは卒業生に直接評価を聞くことです。

初心者でも安心の着付け教室ガイド

こうした紹介サイトはとても分かりやすく受講者の強い味方ですね。
とはいえ、ネットの口コミを全面的に信用するのは疑問です。師弟にも相性の良し悪しは必ずあり、自分が口コミと同じ対応されるかどうかはわかりません。
どこの着付け教室にもお試し期間が用意されています。お試し期間中に講師と腹を割って話し、予算の上限を超えないかを確認しておくべきです。強い意志を持って、これ以上は払いません、昇級はしませんと宣言するのも良いかと思います。
出費がかさむと着物の楽しみは減じます。着物の楽しさを味わえない、教えない先生に私だったらそれ以上ついて行こうとは思いません。
後から提示された出費を拒否すると講師の態度が変わった、との話も聞きますが、だったら辞めてしまえばいいんです。予定された金額の中であなたはもう着物が着られるようになっている筈ですから。
全ての着付け教室がクレームの対象にはなり得ません。自分にもお財布にも優しい教室が必ずあるはずです。一度着付けを覚えてしまえば、着物はお得に着られます。着付けを習わなかったら、私はこの島で今頃どう生きていただろうか、と思います。
尊敬する先生、相談できる友人、生きる指標など、着付け教室に通うことで、得る物は数えきれないほどあるのです。

着物は受け継ぐべきもの

ご両親、義両親、親戚、知人から着物を受け継ぐ

こんにちは。佐渡島の着付け教室「きらら教室」アシスタントのゆうです。着物は高い!というイメージが一般的です。まずはこの固定観念を吹っ飛ばす所から始めます。

着物をお得に着る方法その1です。

販売店で着物を誂える理由は何か?当然着物が必要になったからに決まっています。着物が必要になった時、まず思い出してほしいのが、

着物は継承する衣類」だということです。

呉服店へ行くと、たとえ購入の目的が帯一本だけだったとしても、

「この帯にはこちらのお着物でしょう、小物はこちらのセットをお付けします。今なら長襦袢もこちらのお着物と合わせたものを勉強させて頂きますよ」

などなど、一体何を買いに来たのか分からなくなってしまいます。こうした合わせ商法が問題になり、最近は呉服店そのものを拒否する人が増えてしまいました。着物離れが深刻化し、販売店も近年は方向転換をしているようですが、一度ついてしまった着物は高い!というイメージは簡単に払拭されるものではありません。

着物、買わなきゃいけませんか?

結婚式にお呼ばれして着物が必要になったら、どうしても販売店で誂えなくてはいけないのでしょうか?私は親が仕立て屋をしていたので、実家には大量の着物がありました。別に裕福だったわけではありません。母は不要になった着物を顧客から引き取り、自分の寸法に直して保管していたのです。着物に関して実家が特殊な環境であったことは認めますが、どこのお宅にも箪笥にしまわれた着物の一枚、二枚眠っているのではないですか?

着物は継承する衣類です

そうして長く保管されてきた着物は、主に晴れ着、特別な時に着る衣服ですよね。晴れ着として正絹で丁寧に織られた着物は3代もつ、と謂われています。一人の女性が20歳の時、50万で誂えた着物があったとします。30歳で子供に恵まれその子が20歳になり、自分の着物を着せました。娘さんも30歳で孫を産んでくれたので成人式でその着物を着ます。60年以上使用に耐える衣類が高いと言えるでしょうか?

着物の古典柄も花柄も流行に左右されることはほとんどありません。

実家の箪笥に眠っていた着物が家紋入りであればラッキーです。冠婚葬祭で発注しなくていいじゃないですか。女性は実家の紋をつけるのが本筋と謂われています。(地域差あります)新しい年が明けるとテレビで全国の成人式会場が中継されますが、

「おばあちゃんの着物を着てきました!」

と嬉しそうに話す新成人は本当にきらきら輝いて見えます。

着物は販売店で買わないのも選択肢の一つです。

着物が必要になったら、まず実家の箪笥を開けてみましょう!私は主に母の着物を受け継ぎましたが、私と母は背格好が良く似ていて、身長も大きな差がありません。多少の寸法の違いは着付けの腕や小物の活用でカバーします。体に巻き付ける形の日本の着物は体形の変化に柔軟に対応してくれます。(限度はありますが)子供の着物は肩の部分に“上げ”が取ってあり、成長しても着られるように作られています。長く着る、これこそが日本の着物の本領です。着物は長く着ることを想定して作られているので、事あるごとに誂える必要など無いのです。

受け継いだ着物だけでは満足できない、自分の個性を発揮したい!と考える人は小物に凝るという方法があります。自分好みの帯揚げや帯締めを見つけて、コーディーネートしていけば、受け継いだ着物は自分の着物となっていきます。頂いた物を組み合わせて自分好みのスタイルを追求する、素晴らしい着物術です。

実家には着物が無い、親も持っていないという人もいるでしょう。不思議な現象ですが、私が着物を着る人間だと知れ渡ると、あちこちから着物が集まってくるのです。

「着物、着ないからもらってほしい」

「管理の仕方が判らないから、あげる」

「じゃまだから」

畳むと2㎝に満たない着物が邪魔になる理由が判りませんが、私は全てありがたく頂戴します。

蚕さんが命がけで吐き出してくれた糸を、織師さん精魂込めて織り、染師さんが美しい柄をつけて、仕立て屋さんが一針一針縫ってくれたこの世でたった一枚の着物です。受け継ぐことを前提に作られた着物です。手放すことなぞ到底出来ません。世界に目を向けると、多くの国で民族衣裳は継承することを前提に作られています。

もちろん衣類は個人の趣味嗜好の問題ですから、高くても自分だけの着物を誂えたいという人もいるでしょう。そうした人は自分が誂えた着物の未来を思い描いて、購入してほしいと思うのです。娘や嫁、孫娘が自分の愛した着物を受け継ぎ、着続けることは幸せが絶えない証に思えます。

50年先も100年先もこの国で着物に袖を通す人が絶えませぬように。