ポリエステル

衣替えの季節!9月は単衣の着物、10月は袷の着物です!

1.秋の衣替えは手入れの意味もある
2.秋の衣替えってどうするの?
3.9月は単衣着物、10月は袷着物

あっという間に秋の衣替えがやってきました。え?めんどくさ!と思うのもごもっとも。9月はまだ単衣の季節ですが、10月までに冬物を用意しておかねばなりません。今回は秋の衣替えのお話を少々致します。

1.秋の衣替えは手入れの意味もある

洋服の生活をしていると、「え?衣替えなんてしないけど」という人も多くなってきました。住宅事情の切迫した現代では、通年着るものを箪笥に入れたままにしておくのも、一つの収納術といえます。着物は畳めばぺたんこになり、箪笥に入れたままにしておくと湿気を吸収し、かびの原因になります。湿気を含んだ衣類は害虫の大好物で、気づいたときには大事な着物に、「虫食い」穴ができている、なんてことにもなりかねません。
秋の衣替えはこれらの虫害を防ぐ意味があります。着物を秋のさわやかな風に晒して、湿気を飛ばしにっくき虫を撃退しましょう。「入れ替えと同時に着物の手入れと点検をする」、それが秋の衣替えです。
筆者は古代史好きでこの時期奈良国立博物館で開催される正倉院展には足繁く通っておりました。正倉院展の開催は膨大な古書類、古衣裳を虫干しするため、秋風の吹く涼しい時期に正倉を開いていたのが、始まりでした。後に宝物を一般に公開することが許され、現在の宝物を展示する正倉院展になっています。
※余談ですが、博物館の学芸員さんの着物畳み術は目を見張るものがあります!
天下の正倉院も虫干しをしているわけですから、日本人ならば秋には衣替えをして、同時に着物の手入れをしておきましょう。

2.秋の衣替えってどうするの?

まずは夏物を片付けることから始めます。絽や紗の単衣着物を箪笥から出して、必要があればクリーニングに出しましょう。単衣着物には汗がつきやすいです。そのため筆者は夏場には家でも洗える着物、ポリエステルや木綿を愛用しています。(礼装は別)

① ホームセンターで防虫剤を買う

ホームセンターやドラッグストアで防虫剤を買っておきましょう。
先に買っておかないと、しんどい衣替え作業のあと、心が折れます。きれいに畳んでしまった後に、「あー!防虫剤入れるの忘れた!!」となると泣きたくなりますよ、ほんと、、、何度もやりましたので、あえてお伝えしておきます。防虫剤は始めに買っておきましょう。

② 夏物(絽・紗)を収納する

夏物を収納します。
空になった箪笥に虫がいないか、汚れはないか、点検しましょう。夏着物と夏帯は同じ収納ケースに入れてあると便利です。夏用の襦袢は秋口にも春先にも着る機会があるので、しまい込むと逆に困ります。半襟だけ付け替えて、かしこく気温の変化に対応しましょう。

③ 冬物(袷)を出す

オフシーズンにしまい込んであった、冬物を出します。10月からは袷着物、裏地のある着物となります。袷着物を出して、室内で半日程度虫干しします。その際、染みや汚れが無いか確認しましょう。礼服は特にしっかりチェックが必要です。3月の卒業式に着る礼服(色無地など)に汚れがあったら、この時点でクリーニングに出せば間に合います。折り皺ができていたら、しっかり干してから畳んで、箪笥にしまって下さい。

④ 冬物を箪笥に収納する

冬物をきれいにたたんで箪笥に納めます。自分で着物を着ない人も、畳み方だけは習得しておくことをおすすめします。たとう紙に防虫剤を挟むのを忘れないようにしてください。


3.9月は単衣着物、10月からは裏地のある袷着物

学校の制服同様、9月は着物の移行期です。透け感の無い単衣着物に帯を身に着けます。透け感の無い単衣着物は6月と9月にしか着られません。9月の単衣着物は暖色系の色目なので、実際の秋物を着る機会は1ヵ月しかないのです。「だったら秋物なんていらない!」と思うのも当然です。9月一月の間に着物をどれほど着る機会があるか、と考えると無理に秋物、透け感の無い暖色系の単衣着物を用意する必要なんか無いですよ!呉服屋さんにすすめられても買わなくていいです。10月になれば本格的な着物の季節、袷着物の季節がやってくるのですから。先日9月の着物教室がありましたが、単衣着物を持っていない生徒さんたちでした。9月半ばの袷着物はやはり暑かったようで、汗をかいて難儀しておられました。私は単衣着物でしたが、それでも暑かったです。そうなると、9月の移行期に着物を着るには、どうしたらいいの?
空調を制御すればいいんです。それだけ、、、

秋は着物に最適な季節です。そのために秋の衣替えは、整理・虫干し・点検をしっかりやっておきましょう。卒業式に着る着物は秋口に点検、必要があればクリーニングに出しておきます。余り枚数を持っていない方が、衣替えは楽に済ませられますよね。

 

旅館の浴衣をかわいく着る方法

日本の旅館や温泉宿にはほとんどと言ってよいほど浴衣が置いてあります。シーツや枕カバーと一緒に設置してあり、他のアメニティグッズと同様自由に使うことができます。しかしこの温泉浴衣、ちょっと着づらくありませんか?温泉宿の浴衣、嫌いなポイントを叫び、かわいく楽しく着る方法、解説します。

1.旅館の浴衣、ここが嫌い!

   1-1.サイズが無い!!

 1-2.デザインがかっこ悪い!!

 1-3.冷える!!

 1-4.はだける!!

2.旅館の浴衣をかわいく着る方法

  2-1.帯、小物を持参する

2-2.おはしょりをしっかり作る

  2-3.丈は短過ぎないように

まとめ

1. 旅館の浴衣、ここが嫌い!

旅館に着いてお部屋に入ると、真っ先に誰でもゆっくりのんびりしたいものです。クローゼットを覗けばほぼ100%の割合で浴衣が置いてあるのですが、はっきり言って温泉宿の浴衣は不便です。パジャマを持たずに旅行に来られるのは良いけれど、サイズが合わなくてはだけまくり、朝になると帯だけになってるってことありませんか?ガバガバの浴衣を備え付けの帯一本で着付けるので、すぐに着崩れて落ち武者状態。宴会に同席する親父どもにサービスするための浴衣なんじゃねーの?と思うほどです。
高級旅館であればサイズが豊富にあり、フロントに一声かけて自分の体に合った浴衣を出してくれますが、全ての旅行でそのようにはいきません。着付け教室アシスタントゆうが声を大にして叫ぶ、温泉宿の浴衣、ここが嫌い!なポイント3つです。

1-1.サイズが無い!!

私の身長はぶっちゃけ149センチしかありません。これ以上の増は無いし、今後減にならないよう祈るばかりです。温泉宿の浴衣はほぼフリーサイズ、ざっとS/M/Lが置いてあります。Sを選べば小さいし、Mを選べばデカ過ぎること、この上ない!デカ過ぎること山の如しです。フロントにお願いして小さめを出してもらうと、子供用の浴衣で象さんがプリントしてありました。、、、、着れません!!!

1-2.デザインがかっこ悪い!!

割と高級な旅館でも『○○旅館』という印字が布中に散りばめられています。宿内で着るとまるでユニフォームです。宿外で着れば見事な広告塔に早変わりです。その宿に泊まることをステイタスにしている人は満足かもしれませんが、好んで着るわけではありません。宿外では絶対に温泉宿の浴衣は着られません。かっこ悪いです。
私が以前在籍していた職場は社員旅行が年に一度あったのですが、親睦を図るための宴会で謎なルールがありました。

「社員旅行の宴会は浴衣で参加」
なに?その昭和なセクハラ感満載なルールは?勤務時は平成ですよ?

1-3.冷える!!

冷え症の体に温泉宿のぺらぺら浴衣は毒です。インナーをしっかり着ていないと翌朝お腹が冷えきってたまりません。帯紐1本で体に巻き付けるだけでは、どんな着付け名人でも着崩れます。折角温泉に入って温まった体が逆に寝冷えになってしまいます。

1-4.はだける!!

たとえベストマッチしたサイズの浴衣でも、帯紐一本で着ていれば普通に胸元がはだけてきます。旅館の浴衣は男性の着付け方法で着るようになっているので、凹凸の激しい女性の体形に合う筈がないのです。はだけるために着る服なぞあってたまるもんかー!エロ親父を喜ばせるために、旅館に来てるわけじゃありません。はだける浴衣しか出さないのなら、男より宿賃安くしてくんない?って思います。

2.旅館の浴衣をかわいく着る方法

困りものの旅館の浴衣ですが、いつしか自分は工夫してかわいく着るようになりました。着崩れてはだける浴衣はかわいくありません。下品です。私の母は宴会の場で女性の浴衣がはだけるのを決して許さない人だったのです。(若い子の浴衣がはだけると別室に連れ込んで着付けし直す、ある意味変な人?)

2-1.帯、小物を持参する

旅館の浴衣をかわいく着るために、私は自宅から半幅帯と着付け紐2本を持参していきます。時には伊達締めを持っていくこともあり、人に貸してあげるなどして重宝しています。胸元をきっちり締めるのに、コーリンベルトもあると良いですが、多少のファジーな感覚も残しておきたいので、金具付きの伊達締めなどを使用します。備え付けの帯も使いますが、やはり男性用なので、しっかり締まりません。帯は着付け紐の一つとして使わせてもらっています。半幅帯は大して荷物になりませんし、バッグの底で荷物の台として活躍してくれます。泊まり荷物の中に半幅帯が1本入っていても、全然苦になりません。○○旅館の印字が入った浴衣でも、お気に入りの半幅帯を締めるだけで、気分はかなり上昇します。半幅帯は備付けの帯紐の3倍近い幅があるので、長時間座っていても、背中が安定し腰が疲れません。一部の旅館ではかわいい女性用の浴衣を選べるサービスを実施しています。自分好みの浴衣を選べるのはこの上もなく嬉しいものですが、その際も着付け紐2本を用意しておくことをおすすめします。備えあれば憂い無しです。

2-2.おはしょりをしっかり作る

持参した着付け紐を使って、浴衣におはしょりをしっかり作ります。おはしょりを整えておくとサイズが合わなくても、きれいにかわいく着られます。胸元が緩んできたら、おはしょりの下部分を引っ張って乱れを防ぎましょう。おはしょりが長過ぎると背が低く見えるので、着付け紐で調整したり、帯紐に挟んでみたりしてください。

2-3.丈は短過ぎないように

浴衣の丈は両足のくるぶしまで、着物の丈は床すれすれに、と言われます。背の高い人がフリーサイズの温泉浴衣を着ると、くるぶしより上に丈が上がる場合があります。致し方ない事ですが、少々残念な着姿になってしまいます。着丈が短か過ぎると子供っぽい、やんちゃなイメージになりがちです。大人の雰囲気を出したい人はくるぶしか、もしくはその下までの着丈が必要です。

まとめ

私の母は「女が酒の席で着物が乱れているものほど、愚かでみっともない姿はない」と言っていました。着崩れた姿はかわいくもなければ、美しくもありません。乱れた浴衣姿に喜ぶのはエロ親父だけでたくさんです。着物は人のために着るのではなく、自分のために着るのですから、たとえ山深い温泉宿であっても自分なりに楽しめる物を着たいものです。荷物の中に半幅帯を1本しのばせておくだけで、凛とした美しさと茶目っ気のあるかわいらしさが旅館で表現できます。

浴衣にも夏着物にも、100均の和装小物

忙しくて美容院に行けません。通常営業のショートカットが中途半端に伸び放題。明後日には着物来て出かけなくてはならないのに、どうしましょう?お得な着物伝道師ゆうが駆け込んだのは、美容院ではなくて、百均ショップ、「ダイソー」でした。

1.困った時に助かる、100均の髪飾り
2.結構使える、100均の和装小物
3.100均の和装小物、注意点

1. 困った時に助かる、100均の和装小物

着物を着るときはうなじが綺麗に見えるよう、髪は短くするか、結う、アップにするのが基本です。普段、私は超ショートカットで問題なく、着物を着付けていますが、今月は忙しくて美容院に行けません。着付け教室の予定が入っているので、予約入れるのも間に合わないのです。ゴムで後ろに1束に結んで、すずめのシッポくらいの長さです。何とも中途半端で困ったものです。仕方がないので、自宅近くの百均ショップに向かいました。各100均ショップは、6月あたりから浴衣に使用する和装小物がたくさん販売され、普通の着物でも見劣りしない物が在庫として並んでいます。最近では100均の和装小物を複数購入し、自分でアレンジして成人式など前撮りに使用する人も多くなっています。今回私が買い求めた物は、ダイソーの①「ボリュームウィッグシュシュ」と②「和かんざし」の2点です。

①ボリュームウィッグシュシュ
②和かんざし

①はシュシュタイプの着け毛なので、すずめのシッポ的地毛でも簡単にボリュームアップ、まとめ髪ができました。今回着たのは阿波しじらの単衣着物です。木綿着物は普段着の生活衣類なので、余り襟を主張し過ぎないように、やや下めに結いました。年齢的なことも鑑みつつ、、、浴衣では少し高めの位置かサイドにアップするのが良いかもしれません。ウィッグが首を覆わなくて涼しいですしね。初めてのウィッグシュシュですが、着付け教室の皆さんには好評価をもらえました。100均だと白状すると驚かれました。和装用のウィッグ、和装店で買うととんでもなく高いですもんね。しばらくはこのヘアスタイルで着物着ようか、と。真夏には髪切ります!!

ウィッグシュシュ着けました。帯結びはふくら雀
時間が無くてもササっとできちゃうシュシュウィッグ

➁のガラス製の帯飾りはいくつか在庫がありました。これも浴衣用ですね。とはいえデザインは10代向けだな、、、今後もっと夏感が深まれば、ガラス製のかんざしも入庫するかもしれません。ですがこの和かんざしも気に入って買った物ですから、秋冬に使おうと思います。

2.結構使える、100均の和装小物

私がよく購入する100均の和装小物、一番は扇子です。夏着物に扇子は必需品ですし、デザインはしっかりとした和柄が多くて十分使用に耐えます。夏場の扇子はいくつあっても良い!です。あれ、扇子バッグに入れてたのに、どこに行ったっけ?と迷子になりやすいアイテムなので、できればいくつも持っておきたい物。100均であれば複数購入しても問題無いですし、扇子はうちわと違って複数あってもかさばらないので助かります。最近100均では鬼滅柄の扇子が人気のようですが、炭治郎柄(市松)の扇子ってちょっと暑そう、、、緑と黒は暖色系で、涼感には繋がらないような気がします。水柱の水流柄は涼し気で良いですね。扇子以外では小銭入れを買います。着物バッグには大きな財布は不向きなので、小さながま口に必要なだけの小銭を入れて持ち歩きます。夏祭りには長財布よりも小銭入れが便利です。和柄のマスキングテープはあらゆる面で重宝に使えます。今は和柄のマスク入れ作りに凝っています。使用済みの封筒を切ってマスキングテープで飾り、着物のお仲間に「マスク入れ、使って~」とプレゼント。着付け教室は皆さんは同じ道具を使うことが多いので、自分の持ち物であるという目印に、気に入ったマスキングテープを貼っています。

3.100均の和装小物、注意点

100均の和装小物の注意点は2点あります。一つ目は耐久性が無いこと。和柄の扇子などはひと夏で壊れることもよくあります。破れる、外れるのは仕方のないことと承知した上で使用しましょう。二つ目の注意点はきちんとした場では避けた方が良い、というもの。あくまでも遊びの範囲で身に着ける小物ですね。ちょっとした遊び感覚で購入、使用するからこそ100均の和装小物は楽しいのです。

衣替えの季節です

連日、天気予報では「梅雨前線が~」という文言が聞こえてきます。みなさま、衣替えはお済でしょうか?暑かったり、寒かったりでこの時期何をどう着ていいやら、困りますよね。和服も洋服も同じです。暑い!と思って衣替えするとまた梅雨寒で冷えてきて、しまったばかりの長袖を引っ張り出してしまいます。着物の場合、この出したりしまったりの作業はかなり難儀なものでできれば楽に済ませたいものです。誰でもしんどい衣替え、今回は夏物をメインにお話していきます。

1.衣替えとは
2.和服の衣替え
3.衣替えを楽に済ませる方法
4.季節の替り目の裏技

1.衣替えとは

衣替えとは一年を二つに分け、夏物と冬物を入れ替える作業です。日本の風習では6月1日と10月1日に衣替えが行われてきました。旧暦では4月1日と10月1日が衣替えとなります。平安時代は一口に夏物と冬物の衣類を入れ替えるだけではなく、家具から調度類、食器類に至るまで、家中ひっくるめて交換しなければなりませんでした。考えただけでも気が滅入りますね。平安時代の女官に生まれなくて本当に良かったです。元々は「衣更え」、「更衣」と表記していましたが、皇族に仕える女官に更衣という役職ができたので、区別をするために「衣替え」と変化したようです。更衣は初め天皇の着替え係であったものが、やがて天皇の妻、女御に次ぐあまたのお世話係になりました。中国語で「更衣」はトイレに行くという意味にもなるので、注意しないといけませんね。

2.和服の衣替え

衣替え早見表

衣替えの基準をまとめてみました。ポイントは透け感です。6月は単衣で透け感の無い物、帯は透け感のある物です。9月も単衣ですが、透け感の無い物を、帯も小物も同様に透け感の無い物を用います。

和服の世界では夏服と冬服の区別がかなり厳格に定められています。着物が余り好きではない人は見ただけで「うわ、めんどくさ」と思ってしまいます。6月7月8月は帯締め、帯揚げも夏用にしなければなりません。帯締めは絽のもの、季節先取りが着物の基本なので、赤とんぼやもみじの柄でOKです。夏用の帯締めは糸紐が少なく、冬用に比べてお得な値段で買えます。礼装の場合、室内で冷房が効いている場所では留袖、振袖が袷でも良いことになっています。従って夏用の留袖や振袖を誂える人は余りいません。きちんとした礼服を夏冬用意していると、お財布がとんでもないことになってしまいます。私は母親が真夏に亡くなったので、法要の為、絽の色無地を持っています。紺の地紋無しで家紋を入れました。洗濯できるように、とポリエステルです。小物は「弔事用和装小物セット」一式をネットで購入しました。喪服の夏帯は母の遺品があったので、それを締めています。夏礼装には着物ケーサツさんの目が鋭いので、きちんとしなくてはなりません。

3.衣替えを楽に済ませる方法

私の持っている夏着物は喪服を入れて3,4着なので、平安時代のような家全体を上から下までひっくり返し、、、、のようなことはしません。せいぜい和箪笥の引き出しを取り出しやすい位置に入れ替える位です。夏用の着物を上の段に、冬用の着物を下の段に入れます。礼装用の着物(留袖、振袖など)は使用頻度が少なく、湿気がいやんなので、他の着物とは別に引き出しをもうけて最上段に入れています。浴衣もこの機会に取り出しやすい所へ出してしまいます。帯締め、帯揚げは夏用を引き出しの前に出し、冬用を奥へ入れることで、衣替え完了、としています。(おい!)とはいえ、衣替えはこれまでしまい込んでいた、オフシーズンの着物を引っ張り出す貴重な機会です。ここぞとばかりにボロボロになったたとう紙を新調したり、樟脳を入れ替えたりしています。
着物を頂くと、包んでいたたとう紙ごと頂く場合が多いです。古い物だとたとう紙は結構傷んでいるので、そのまま箪笥にしまうのはおすすめしません。誰かに着物を頂いたら、たとう紙くらい自分で替えましょうよ。ネット購入がお得です。

4.季節の替り目の裏技

暑さ寒さは彼岸まで、ってそう簡単にはいきません。6月や9月の移行期であっても、暑いときは暑いし、寒いときは寒いんです。衣替えのルールに合わせて、「まだ袷でないといけないんだ」と無理をしていると、地球温暖化の進んだ現代の地表ではぶっ倒れてしまいます。まだ袷を着ていなければならない、けど暑い、そう5月の陽気の良い日などは本当に辛いです。私はそんな日は長襦袢だけ夏用にしてしまいます。肌着も省略した物、「うそつきスリップ」などで楽をします。バレません。半襟だけ付け替えてしまえば、夏用の襦袢を着ているなんて誰にも分かりませんからね。夏用の襦袢には麻を愛用しています。軽くて涼しいし、何と言っても正絹よりもお得です。麻の襦袢は家で洗濯ができるので、夏にはもってこいです。6月には絽の半襟に付け替えます。ルールに従って暑苦しい思いをする位なら、裁縫道具で半襟付け替えるのなんて、どうということはありません。

着物のルールに縛られて、暑い物を着ている必要はありません。工夫次第で季節の替り目でも着物を楽しむことは十分できます。十二単衣にしても、決して綺麗だから、豪華だから12枚着ていたわけではないのです。昔の人は暑ければ脱ぎ、寒ければ重ね着をしました。それが12枚にもなってしまった、所謂生活の知恵です。一番大切なのは気温に合わせて快適な衣類を纏うこと。「5月なのに単衣着てるじゃない!」と目くじらたてるのは着物の将来に少なからぬ悪影響を与えてしまう、と私は思うのですが。

煉獄さん、400億の男!おめでとうございます。

素材論争?!和服の素材3選

有史以来、人類は持てる叡智を尽くしあらゆる素材を探求、吟味して衣類を作り上げてきました。
物質中に繊維が残れば人々はいかにして、この糸を身に纏うか、それのみを考えてきたように思います。その最たる物が絹、シルクであり、和服の世界では正絹と呼ばれます。他にも自然素材として優れた木綿、ウール、化学繊維のポリエステル、などが主な着物の素材となります。日本は高温多湿な国ですから、個人の趣向の他に気候やTPOに合った素材を選ぶ必要が生じます。
もちろん財布事情も素材選びの重要な要素であることは疑いようがありません。

1. 最高の着物素材~正絹~
  1-1. 正絹とは何か
  1-2. 正絹のメリット、デメリット
  1-3. 着物は正絹でなければならないのか?

2. 新しい時代の新素材~ポリエステル~
  2-1.ポリエステルとは何か
  2-2.ポリエステルのメリット、デメリット

3. 伝統紡ぐ素材~木綿~
  3-1.木綿とは何か
  3-2.木綿のメリット、デメリット
  3-3.庶民の味方、偉大な伝統衣類、木綿着物

4.まとめ

1.最高の着物素材~正絹~

1-1. 正絹とは何か

反物の表示にある「正絹(しょうけん)」とは絹100%の織物を指します。絹は蚕が吐き出した繭を煮出して取り出した繊維です。現在地球上にある最高級の糸ですね。生産の歴史は古く紀元前3000年頃、中国の神話時代に遡ります。
糸そのものの光沢、触感、軽さ、風合いなど絹を超えるものは存在しません。
正に繊維の王!
そして蚕は生き物です。着物1反を織るのに必要な糸量は約1㎏、約432,000mの長さが必要です。1㎏の絹糸を取るために必要な蚕の繭は、約5㎏3000個が必要とされます。一着の着物を織るために3000匹の蚕が釜茹でにされるわけです。
ゆえに古来絹は特権階級のみが身につける衣類でした。古代アジア、歴代の王たちにとって絹は繁栄の証、富の象徴です。欲望はシルクロードを駆け巡り、争いは絶えませんでした。
日本では弥生時代に養蚕が伝わり、織物は税金の一部として徴収されます。
絹を超える衣類は存在しませんし、今後も生まれることはないでしょう。
至上の衣類、正絹の着物。人々が絹を求める心に限りはありません。

1-2. 正絹のメリット、デメリット

正絹のメリットは言うまでもないですが、目に鮮やかな光沢、至高の柔らかさと軽さ、自然素材の為、静電気が発生しにくい、ことなどが挙げられます。一目見ただけでそれと判る高級感に満ちていて、これこそが着物、と思わせる芸術の域に達しています。さらりとした着心地は天にも昇る思いがします。
また正絹はとても長持ちする素材です。軽くて丈夫、きちんと保管すれば変色も少なく、母子三代着られます。
冠婚葬祭、礼装、しかるべき場所への出席には正絹の着物で、という定石は揺るがないでしょう。
正絹のメリットは機能性だけでなく、周囲の目に十分耐える素材であるということ。きちんとした装いだと受け止めてもらえるのです。少し着物に詳しい人ならば、すぐに正絹を見分けますし、格を維持するには必要なものと、言えるでしょう。
正絹着物のメリットは、高級感がある、長持ちするの2点です。

正絹のデメリットは第一に高いこと、、、、何せ3000匹のお蚕さんの命ですからね。高いのは当然です。希少価値です。
元々が特権階級の衣類ですから、致し方ありません。
第二のデメリットは水に弱いこと。動物繊維ですから水分を含むと縮みます。染みもできます。簡単に洗えません、専門の洗い屋さんに出す必要があります。
正絹着物のデメリットは、高い、水に弱い、の2点です。

1-3. 着物は正絹でなければならないのか?

呉服屋さんの多くには正絹しか扱わないお店もあります。着物離れが増えた理由の一つに「正絹でなければ着物じゃない、絹以外は恥だ」と言った売り方をする店舗の存在がありました。正絹着物は流通過程が複雑で一着売れば余りにも利益は大きいです。また織、染、仕立てといった職人さんの特殊技能を十分評価する必要があります。着物販売の店員にはノルマが課され、少しでも高く売ることを目的にしていた時代もありました。正絹着物は晴れ着である為、日常を超越した金額に設定されているのも事実です。

私の結論としては、冠婚葬祭、礼装は正絹で。それ以外は別素材でも良い、と思っています。正絹のみを売りたがる販売店に対して、消費者は正絹以外の素材の良さも十分理解する必要があるでしょう。

2. 新しい時代の新素材~ポリエステル~

2-1.ポリエステルとは何か

正絹に対して人絹という言葉があります。今ではほとんど聞かれませんが人造繊維、レーヨンを指して人造絹糸、略して人絹と呼ばれました。近代の科学者たちが絹に似た繊維を作り出そうと懸命になっていたことが窺えます。
第一次世界大戦後、レーヨン糸の価格は大暴落します。変わって生産されたのが石油から作られる合成繊維、ポリエステルでした。日常の衣類としてポリエステルは実に優秀な素材で、やがて着物の世界にも取り入れられてゆきます。

2-2.ポリエステルのメリット、デメリット

ポリエステル製の着物は第一に安い!(いつも値段が一番に来てすいません)丈夫で耐久性、耐寒性があり、家で洗うことができます。基本的には着物は洗えないと思っている人が多く、物干し場に干してあると
「ええー?着物洗って大丈夫なの?ゆうさん??」
と驚かれることがあります。
「着物洗うなんて頭、正気か?」
みたいな扱いを受けたりもしました。私の脳内をご心配下さっている貴顕ににっこり笑って返します。
「これポリエステルだから洗えるんですー」
「ええええー?」
と、驚かれるほどポリエステルの着物は一般的に認知されていません。ですが、今では誰もが普通に目にする着物でもあるのです。
観光地のレンタル着物はほとんどポリエステルですし、ネット通販などで1万円以下の着物はほぼポリエステルです。
安い、洗える以外のメリットは雨の日でも気軽に着られること。濡れても縮みが少なく家で洗い、アイロンで伸ばすことも可能です。
私は着付けのお稽古、特に夏場にはポリエステル着物で行ったりします。
出かける予定の朝、急に雨が降っているのに気づき、慌ててポリエステルに着替えた時もありました。
ポリエステル着物のメリットは、安い、洗える、水に強い、の3点です
ポリエステル着物のデメリットは嫌な表現ですが、安っぽく見られることでしょうか。
格式の高い場所には着て行けません。
合成繊維特有の静電気が発生し、体にまとわりつきます。(脱ぐときはペリっていう)
大量生産のプリントで格調高い柄は少ないです。プリント柄でもお洒落着としてかわいらしい物はたくさんありますから、街歩きには最適と言えます。
着物らしい光沢はありません。高級ポリエステル(東レシルックなど)と呼ばれる物には正絹には劣りますが、光沢も風合いも申し分ないものがあります。
ポリエステル着物のデメリットは礼装には不向き、静電気が強い、の2点です

3. 伝統紡ぐ素材~木綿~

3-1.木綿とは何か

木綿とはワタ、綿花の実から取れる繊維でコットン(cotton)とも呼びます。正絹一辺倒の販売歴を経て、木綿の着物って何?そんなのあるの?との疑問さえ聞こえます。ですが木綿着物こそ日本の一般庶民が最も多く身に纏っていた衣類です。日本に綿花が入った当初は栽培が一般的ではなく高級品でしたが、戦国時代以降、各地で栽培、加工されるようになります。江戸時代には麻に変わって、主な着物素材として一般的になりました、
綿糸は通気性が良く吸水性も高いため、肌着などにも使われ、各地域で独自の特色を生かしたの綿織物が続々と開発されました。各大名が増収のため地産物として生産を奨励していた背景もあります。
松阪木綿、阿波しじら、会津木綿、久留米絣、薩摩絣、備後絣など伝統工芸品として現代に伝わっています。

3-2.木綿のメリット、デメリット

木綿着物のメリットは第一に気持ちいい!こと。柔らかいのにしっかりとした生地でとても着心地がいいのです。吸水性が良く夏場でもさらりとしています。綿繊維は撚りをかけてあるので、空気をたっぷり含み保温性も高いです。つまりは夏涼しくて、冬暖かい着物、高温多湿の日本には最適じゃないですか。庶民の衣類ですからもちろん家で洗えます。貴重な伝統衣類ですから専門家に任せた方が安心ではありますが。
そして更にもう一つのメリットとして、正絹よりもずっとお得です。
って、また値段の話かーい!←このサイトでは最重要特記事項なので、あしからず。
木綿着物のメリットは、安い、丈夫、気候に順応、の3点です
木綿着物のデメリット、残念なことに木綿着物は普段着、洋服のカテゴリーとしてはジーパン位の格付けになってしまいます。ですが、お洒落着、街歩きには持ってこいです。
また自然素材のため、縮みやすいという性質を持っています。
木綿着物のデメリットは、礼装に不向き、縮みやすい、の2点です。

3-3.庶民の味方、偉大な伝統衣類、木綿着物

私が最も心奪われる木綿着物は「阿波しじら」。独特のしぼがあり、さらりとして、とても気持ちの良い着物です。初めて手元に届いたときは余りにも気持ちよく頬ずりしてしまいした。一重仕立てで5月初から9月下旬まで長いスパンで着られます。夏場の着物はもう阿波しじらしか要らない!と思うほど惚れ込んでおります。浴衣としても着られますし。夏場の正絹着物「絽」や「紗」は製造工程がとても難しくて、高級、高価な着物です。正装する場でなければ着たいと思えません。夏場は汗をかくので家でひんぱんに洗える方が衣類として重宝します。
木綿着物は高温多湿の日本で庶民の普段着として長らく愛されてきました。江戸時代に正絹着物を着ていた人なんて、全人口10%くらいに過ぎません。高級で高価でありさえすれば衣服として優れているとは決して言えないと思います。

4.まとめ

正絹だけが着物じゃない!木綿だってポリエステルだって良い所はたくさんあります。
冠婚葬祭には正絹着物、遊び着にはポリエステル、日本人らしい着物なら木綿着物、と素材分け、使い分けを楽しみましょう。
なかでも木綿着物は日本の日常生活にベストマッチした着物です。
そんなわけで「これから着物を着てみたい!」と思う方々へ向けて、着付け教室アシスタントゆうは木綿着物を全力でおすすめするわけです。

余談な木綿話
NHKの大河ドラマ、「八重の桜」を視聴していましたが、登場する女優さんたちは会津木綿の着物を着ていました。きちんとした演出だなあ、と感動したことがあります。
新島(山本)八重の生涯と会津戦争を描いた歴史小説はこちらがおすすめ。
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