衣替えの季節です

  • LINEで送る

連日、天気予報では「梅雨前線が~」という文言が聞こえてきます。みなさま、衣替えはお済でしょうか?暑かったり、寒かったりでこの時期何をどう着ていいやら、困りますよね。和服も洋服も同じです。暑い!と思って衣替えするとまた梅雨寒で冷えてきて、しまったばかりの長袖を引っ張り出してしまいます。着物の場合、この出したりしまったりの作業はかなり難儀なものでできれば楽に済ませたいものです。誰でもしんどい衣替え、今回は夏物をメインにお話していきます。

1.衣替えとは
2.和服の衣替え
3.衣替えを楽に済ませる方法
4.季節の替り目の裏技

1.衣替えとは

衣替えとは一年を二つに分け、夏物と冬物を入れ替える作業です。日本の風習では6月1日と10月1日に衣替えが行われてきました。旧暦では4月1日と10月1日が衣替えとなります。平安時代は一口に夏物と冬物の衣類を入れ替えるだけではなく、家具から調度類、食器類に至るまで、家中ひっくるめて交換しなければなりませんでした。考えただけでも気が滅入りますね。平安時代の女官に生まれなくて本当に良かったです。元々は「衣更え」、「更衣」と表記していましたが、皇族に仕える女官に更衣という役職ができたので、区別をするために「衣替え」と変化したようです。更衣は初め天皇の着替え係であったものが、やがて天皇の妻、女御に次ぐあまたのお世話係になりました。中国語で「更衣」はトイレに行くという意味にもなるので、注意しないといけませんね。

2.和服の衣替え

衣替え早見表

衣替えの基準をまとめてみました。ポイントは透け感です。6月は単衣で透け感の無い物、帯は透け感のある物です。9月も単衣ですが、透け感の無い物を、帯も小物も同様に透け感の無い物を用います。

和服の世界では夏服と冬服の区別がかなり厳格に定められています。着物が余り好きではない人は見ただけで「うわ、めんどくさ」と思ってしまいます。6月7月8月は帯締め、帯揚げも夏用にしなければなりません。帯締めは絽のもの、季節先取りが着物の基本なので、赤とんぼやもみじの柄でOKです。夏用の帯締めは糸紐が少なく、冬用に比べてお得な値段で買えます。礼装の場合、室内で冷房が効いている場所では留袖、振袖が袷でも良いことになっています。従って夏用の留袖や振袖を誂える人は余りいません。きちんとした礼服を夏冬用意していると、お財布がとんでもないことになってしまいます。私は母親が真夏に亡くなったので、法要の為、絽の色無地を持っています。紺の地紋無しで家紋を入れました。洗濯できるように、とポリエステルです。小物は「弔事用和装小物セット」一式をネットで購入しました。喪服の夏帯は母の遺品があったので、それを締めています。夏礼装には着物ケーサツさんの目が鋭いので、きちんとしなくてはなりません。

3.衣替えを楽に済ませる方法

私の持っている夏着物は喪服を入れて3,4着なので、平安時代のような家全体を上から下までひっくり返し、、、、のようなことはしません。せいぜい和箪笥の引き出しを取り出しやすい位置に入れ替える位です。夏用の着物を上の段に、冬用の着物を下の段に入れます。礼装用の着物(留袖、振袖など)は使用頻度が少なく、湿気がいやんなので、他の着物とは別に引き出しをもうけて最上段に入れています。浴衣もこの機会に取り出しやすい所へ出してしまいます。帯締め、帯揚げは夏用を引き出しの前に出し、冬用を奥へ入れることで、衣替え完了、としています。(おい!)とはいえ、衣替えはこれまでしまい込んでいた、オフシーズンの着物を引っ張り出す貴重な機会です。ここぞとばかりにボロボロになったたとう紙を新調したり、樟脳を入れ替えたりしています。
着物を頂くと、包んでいたたとう紙ごと頂く場合が多いです。古い物だとたとう紙は結構傷んでいるので、そのまま箪笥にしまうのはおすすめしません。誰かに着物を頂いたら、たとう紙くらい自分で替えましょうよ。ネット購入がお得です。

4.季節の替り目の裏技

暑さ寒さは彼岸まで、ってそう簡単にはいきません。6月や9月の移行期であっても、暑いときは暑いし、寒いときは寒いんです。衣替えのルールに合わせて、「まだ袷でないといけないんだ」と無理をしていると、地球温暖化の進んだ現代の地表ではぶっ倒れてしまいます。まだ袷を着ていなければならない、けど暑い、そう5月の陽気の良い日などは本当に辛いです。私はそんな日は長襦袢だけ夏用にしてしまいます。肌着も省略した物、「うそつきスリップ」などで楽をします。バレません。半襟だけ付け替えてしまえば、夏用の襦袢を着ているなんて誰にも分かりませんからね。夏用の襦袢には麻を愛用しています。軽くて涼しいし、何と言っても正絹よりもお得です。麻の襦袢は家で洗濯ができるので、夏にはもってこいです。6月には絽の半襟に付け替えます。ルールに従って暑苦しい思いをする位なら、裁縫道具で半襟付け替えるのなんて、どうということはありません。

着物のルールに縛られて、暑い物を着ている必要はありません。工夫次第で季節の替り目でも着物を楽しむことは十分できます。十二単衣にしても、決して綺麗だから、豪華だから12枚着ていたわけではないのです。昔の人は暑ければ脱ぎ、寒ければ重ね着をしました。それが12枚にもなってしまった、所謂生活の知恵です。一番大切なのは気温に合わせて快適な衣類を纏うこと。「5月なのに単衣着てるじゃない!」と目くじらたてるのは着物の将来に少なからぬ悪影響を与えてしまう、と私は思うのですが。

煉獄さん、400億の男!おめでとうございます。

SNSでもご購読できます。