着付け教室「きらら」のアシスタントゆうです。
コロナウィルスによる脅威、緊急事態宣言が発令されています。3月21日以降緊急事態宣言は解除になるようですが、新年度4月からの状態がどのようなものかまだまだ予測のつかない現状です。
4月の入学式は各地域、各学校により判断基準が分かれ、自分の地域がどのような形態で挙行されるのか、されないのか現時点では全く判りません。同地域でも各学校により入学式の扱いは異なる為、「隣の学校は保護者出席ありなのに、こちらの学校では出席できない」と
いた現象が起きています。
1日も早くはっきりさせてほしい、が保護者の本音と思われます。世界中がコロナに翻弄され一年以上が過ぎました。
今年の入学式、何着よう?保護者出席ありかしら?そもそも入学式あるの?とやきもきしている保護者の方も多いと思われます。
だからこそおすすめします。着物で撮る写真入学式!
自分で着る着物であれば、入学式の形態がどのようなものであれ、自分と子供さんの都合の良い日を選んで写真館に予約ができます。既に子供の制服は用意ができているはずですから、お父さんや兄弟児を誘って家庭内入学式の出来上がりです。
わが家は子供の成長の節目ごとに写真館で記念写真を撮っています。仕事の都合で入学式のあと写真館に行けないときは、後日着物を着て写真を撮ってもらいました。自分が着物を着る人間でなければそんな面倒なことはしていないと思います。
入学式は子供が新しい世界に飛び立つ記念の日、晴れがましい装いで送り出したいものです。
1.入学式に着る着物
入学式に着る着物は礼装です。礼装と言えば付下げ、色無地など挙げられますが、一番のおすすめは訪問着です。入学式は卒業式と違い、春の暖かい陽光の下、華やかに晴れやかに開催される行事です。春物スーツで出席するように、明るい色目の訪問着、できれば花柄や吉祥柄を選んで出席したいですね。
入学式に着る着物
訪問着>付下げ>色無地(明るい色)※>はおすすめ度もしくは格順
袋帯→二重太鼓、できれば金糸入り
帯締め→平組
帯揚げ→礼装用でなくてもOK
入学式の装いは淡色の明るい訪問着に袋帯で二重太鼓、平組の帯締めで臨んで下さい。淡色の付下げや一つ紋の入った色無地も素敵です。
訪問着ってどんな着物だっけ?と思ったらば、こちらへどうぞ。
2.入学式のルールとNG
入学式に和服を着る場合、小紋、名古屋帯、お太鼓柄の袋帯、帯留はNGです。
豪華な小紋であれば許容範囲という意見もありますが格のルールは守るに越したことはありません。
着物には格のルールがあります。
格の高い着物には格の高い帯を合わせます。入学式は冠婚葬祭ですから、格の高い着物と同等もしくはそれ以上格の高い帯で参列します。格違いをすると恥ずかしい思いをしますよ。
小紋はお洒落着、普段着です。小紋を着る場合、締める帯も名古屋帯が基本なので、冠婚葬祭では不向きです。卒業式とは反対に入学式は華やかさが求められますから、誰もが一番気に入っている着物を着たいのが人情です。最近では華やかさゆえに淡色、花柄の小紋で入学式に参加する保護者が見られますが、格式で言えばNGです。小紋は着物全体に柄が散りばめてあるので、視線がうようよしがちです。訪問着は豪華な柄付きですが、柄は上から下への続き柄なので、落着いた印象になります。
名古屋帯はお洒落着であり礼装用ではないので、基本的にNGです。吉祥柄であれば名古屋帯もありとの意見もありますが、袋帯の二重太鼓には「良いことが重ねがさね」という意味があるのでやはりここは袋帯が良いと思います。お太鼓柄の袋帯はお洒落着なので小紋に合わせる場合は問題ありませんが、冠婚葬祭の装いにはなり得ません。
<見れば一目瞭然、礼装用袋帯とお太鼓柄袋帯>


豪華めに見える花柄の小紋に金糸の袋帯を合わせて、入学式に使えるかコーデしてみましたが、やはり帯が浮いた感じがしました。
これは無いだろ、というのが帯留めを使用している場合です。現在の帯留めは純然たるアクセサリーで冠婚葬祭では用いません。幕末から花柳界で流行し西欧のブローチを模して作られた、と謂います。
確かに帯留めは楽しい!私もイベントで購入したものや自作したものなど、いくつかコレクションしています。思い出深い品ばかりで人に見せたい、気持ちは確かに判ります。でも、、、使えないのよ、入学式では!なぜ?どうして?結構高かったのに?ここまで読んだ方はわかりますよね?
帯留はお洒落具だからなのー!!
冠婚葬祭で帯留は使えないのー!!
でもたまーにいます。素敵な訪問着に帯留して式に出ている人。帯留を使う場合、紐を通す為に細い帯締め、三分紐を締めなくてはなりません。三分紐は細過ぎて礼装用の重い帯を固定するには無理があります。入学式の帯留は格の違いと実用性、二方向からNGとなってしまいます。礼装用の帯と同格の帯留もあり得ませんしね。帯留は遊び感覚の強い装身具ですから、私は着付けのお稽古ですら身につけてはいません。教えを乞う先生に失礼にあたるのでは、と考えるからです。その分プライベートで出かける時は気に入った物、季節や目的に合った帯留を着けて悦に至ります。(( ̄― ̄)ニヤリ
3.悪天候、入学式の強者
私の住む地域、入学式の時期は天気が悪いことが多く、予定が近くなると天気予報を見ては、やきもきします。着物の場合、雨コートや雨草履も用意しなくてはなりません。ほんの少しの水分でも着物には天敵です。私は車を運転して学校へ行くので草履着用は校内のみ、校外や運転中はサンダルやペタン靴で、と割り切って防水に徹しました。
その年の入学式は数日前から天気が悪く、学校の敷地は目一杯ぬかるんでいました。なるべく外を歩かずにすむように、体育館に最も近い位置に車を停めます。着物の裾をからげて帯に挟み、紐で縛ってその上から雨コートを羽織り、体育館のトイレで個室に籠って裾をバサバサ戻していました。
うちの子の学年は比較的着物好きが多く、毎回同じメンバーが和服で参加していました。田舎ですから入卒式はほとんど面子が変わりません。いつしかお着物クラブみたいなグループが出来上がっていました。(笑)みんな仲良く会場で写真を撮ったり、着物にまつわる意見交換をしたりしています。
中には4人兄弟を育てあげ全ての入卒式を着物で完遂した、強者ママさんがいました。私たちはその方を着物番長と呼んで、ご尊敬申し上げています。
その日の着物番長さま、ちょっと遅めの会場入りでした。我らお着物クラブの面々を見つけると彼女は開口一番、
「聞いてちょうだい!あたし今日軽トラなの!!」
「「「「「ええー???マジでー???」」」」」
着物で運転することさえ嫌がる人が多いのに、軽トラで、訪問着で、入学式ってすご過ぎでしょ。軽トラックのステップの高さ、知る人しか知りませんが、よじのぼる位高いんですよ!(イメージ的に)一体どんな体勢で降車したのか、皆目わかりません。
しかもぬかるんだ学校内のグランドを横切って、彼女は入学式会場に颯爽と現れたのでした。自分の車を旦那が乗っていった!と憤慨していましたが、着ていたお着物には水染み一つありません。悪天候時の着物の所作に慣れてらっしゃるのだと思います。
すごい、すごいよ番長!あなたこそ着物の強者!
悪条件でも臆さずに着物を着る、それこそが着物番長、和服の強者です。